愛媛県内子町(2)〜八日市護国の古い町並み〜
   Yokaichi Gokoku Traditional houses Area in Uchiko Town, Ehime Prefecture

▼MAP

▼アクセス
JR内子線内子駅より徒歩

▼関連サイト
内子町ホームページ「内子の町並み」
 愛媛県の中央部に位置する内子町に残る八日市地区、及びこれに続く護国地区の古い町並み。八日市地区は中世より小田川の水運を利用した農産物集散地や市場町として栄え、さらに江戸時代は大洲藩領となり和紙と木蝋の生産で栄え、特に木蝋は明治時代になると海外にまで輸出されるほど盛んになりますが、大正時代には衰退しました。また、護国地区は金毘羅街道と四国遍路の交点にあたり、その宿場町や高昌寺の門前町としても発展しました。
 昭和50年代になると、全国に先駆けて伝統的家屋が立ち並ぶ古い町並みを保存する機運が高まり、かつて人々の娯楽の場であった内子座の保存及び再生をはじめ、古い町並みの魅力を引き出していきます。また1982(昭和57)年には国の重要伝統的建造物群保存地区に約3.5ヘクタールが指定されました。八日市護国の古い町並みは、装飾を凝らした懸魚(げきょ)、黄味を帯びた大壁や海鼠(なまこ)壁、それから弁柄色の格子などが特徴です。
 なお、現在の内子町は八日市地区の古い町並みだけでなく、田園風景なども含めた「エコロジータウン・内子」として町内各所の魅力をPRする政策が進められています。
(撮影&解説:裏辺金好)

町屋資料館(旧、米岡家住宅)


町屋資料館(旧、米岡家住宅)
江戸時代の八日市地区の一般的な町屋の雰囲気を復元しています。

旭館
 1925(大正14)年築。メインストリートからは1本東に入った場所にある昔の映画館。地元の有志が活動写真館として建築したもので、映画文化の拠点として昭和40年代まで使用されました。あまり保存状態がいいとはいえませんし、内子町もあまりPRしていないため、見落としがちな建築ですが、本来は内子座と対を成す建物であり、本格的な保存と活用が待たれます。


あたらし屋「八日市資料館」
江戸時代末期に紋の染物屋を営んでいた商家。



八日市の町並み



大村家住宅 【国重要文化財】

 寛政年間(1789〜1801年)築。大村家は染め物商などを営んだ商家で、非公開ではありますが写真の主屋のほか、裏座敷、木小屋、釜場、藍蔵なども残り、内子の古い商家の構造のすべてを見ることが出来る資料的価値が非常に高い場所です。



本芳我(ほんはが)家住宅 【国重要文化財】

 1889(明治22)年築。木蝋生産で財を成した豪商の家で、通りに面して装飾を凝らした華麗な主屋と土蔵が建ち、さらに主屋の背後に炊事場、北に庭園があります。基本的に非公開ですが、庭園は見学することが出来ます。八日市の町並みの中でも、特に重要な景観を形成しています。



大村家住宅・本芳我家住宅周辺



護国の町並み



護国の町並み



護国の町並み



八日市・護国町町並み保存センター(旧、藤岡家住宅)

江戸時代後期築。


護国の町並み



町並みの見所1 鏝絵(こてえ) (本芳我家住宅にて

漆喰による浮彫のことで、土蔵造りや大壁造の建物に付いています。


町並みの見所2 鬼瓦と鳥衾(とりぶすま) (本芳我家住宅にて



町並みの見所3 懸魚(げきょ) (本芳我家住宅にて

棟木または、桁の端を風雨から守るために取付ける装飾的な繰形などがある板のこと。
本芳我家のものは、鏝絵がついています。


町並みの見所4 海鼠壁(なまこかべ) (本芳我家住宅にて



町並みの見所5 出格子(でごうし) (本芳我家住宅にて



町並みの見所5 出格子(でごうし) (本芳我家住宅にて



町並みの見所6 床机(しょうぎ)
店先で涼み用等に使われたもので、使わない時は吊り上げています。



町並みの見所7 虫籠窓(むしこまど) (大村家住宅にて)
明り窓の一様式。漆喰で塗った連子が特徴で、虫籠に見えるのでこの名前で呼ばれます。



町並みの見所8 うだつ