長浜鉄道スクエア/慶雲館〜滋賀県長浜市〜
長浜市の長浜鉄道スクエアは、1882(明治15)年に現在の北陸本線の始発駅として建てられた、初代の長浜駅(現存する駅舎では最古)と、長浜の鉄道史紹介、琵琶湖水運に関する資料、北陸本線を走った鉄道の模型車両などを展示する長浜鉄道文化館、ED70形交流電気機関車とD51形蒸気機関車を展示する北陸線電化記念館の3つで構成されています。
また、その向かい側にある慶雲館は、1886(明治19)年に明治天皇皇后両陛下が翌年2月に京都行幸啓の帰路に大津から船で長浜に上陸され、この長浜駅で鉄道に乗り換えられるとの報を受け、長浜の実業家で、太湖汽船頭取の浅見又蔵氏が私財を投じ行在所として建築したもの。
天皇陛下の誕生日である11月3日に着工し、行幸啓当日の朝に完成するという突貫工事。そして天皇皇后両陛下は13時前に長浜に到着し、慶雲館で休息された後、13時45分頃の列車で名古屋に向かわれたという、これまた慌ただしい滞在となりました。
その後は浅見氏の別邸兼長浜における迎賓館として使われた後、1935(昭和10)年に国の史跡となったことから、翌年に長浜市へ寄付され、今に至ります。
(撮影&解説:裏辺金好)
○地図
○長浜鉄道スクエア
旧長浜駅
木骨構造の石灰コンクリート造で、窓枠と出入口にレンガを使っているのがアクセントになっています。
旧長浜駅の改札口
旧長浜駅の一等二等待合室
旧長浜駅の駅長室
明治20年ごろの長浜駅
この当時は長浜港と長浜駅の乗り換え口として、交通の要衛でした。
長浜鉄道文化館
北陸線電化記念館
D51 793号機
1942(昭和17)年に三菱重工(株)で製造。東北本線、中央本線、北陸本線で活躍し1970(昭和45)年に引退。
ED70 1号機
1957(昭和32)年製。北陸本線の交流電化に伴い登場した、日本で初めて量産された交流電気機関車。1975(昭和50)年まで活躍し、製造された19両のうち現存はこれ1機のみ。
○慶雲館
慶雲館
木造二階建、総檜造りの寄棟造、書院風建築。
慶雲館1階
慶雲館2階
両陛下をお迎えする為に「玉座の間」が設けられ、伊吹山や琵琶湖が一望できたと云われます。
慶雲館主庭
1912(明治45)年に、明治天皇行幸啓25周年を記念して造園されたもの。作庭は7代目小川治兵衛(植治)。2006(平成18)年に国の名勝に指定。
慶雲館玄関前庭