JR折尾駅〜福岡県北九州市八幡西区〜


  北九州市のレトロ駅舎としては、国の重要文化財であるJR門司港駅(1914=大正3年築)ばかりが注目されますが、そこからJR鹿児島本線で西へ、八幡西区折尾にあるJR折尾駅(東口)も門司港駅から遅れること2年後、1916(大正5)年に建築された90年以上前の駅舎が現役で使用されており、ルネッサンス様式の洋風建築であり、さらに駅ホームにも木造部分が残る、駅全体が貴重な大正時代の遺産であると言えます。

 折尾駅の最大の特徴は、日本最古の立体交差駅であること。下写真を見ていただければ解りますが、筑豊本線と鹿児島本線が1階と2階でクロスしています。これは、両線がそれぞれ筑豊興業鉄道、九州鉄道の線路として敷設されたことに由来するもので、さらに現在は、筑豊本線(福北ゆたか線)から鹿児島本線へ直通するための、ショートカット路線用の駅まで別に設置されています。

 しかし、駅周辺を総合的に再開発することが決定。この不思議な配線も、鹿児島本線を基軸にした同一フロアでの4面7線のホームに集約されることになりました。これに伴い、駅舎の取り扱いが注目されていましたが、残念ながら2010(平成22)年秋に解体され(当初より1年延期)、新たな高架駅舎の入口で建築当初の姿が再現されることになりました。ただし、駅ホームや通路に残る大正時代の面影は、全て消えることになりそうです。

 さて、このページでは私(裏辺金好)、kajibooh、AC20kV-DC1500Vの3人が、それぞれの視点から撮影した折尾駅を御紹介します。それぞれの着眼点が異なっているのが面白く、是非楽しんでいただければ幸いです。
(撮影&解説:裏辺金好 *特記を除く)

○地図



▼折尾駅の配線


折尾駅航空写真(Google Mapより編集)。
筑豊本線は電化区間を福北ゆたか線、非電化区間が若松線と呼称されます。

▼東口駅舎


折尾駅東口駅舎の全景。門司港駅に勝るとも劣らぬ風格。(撮影:裏辺金好)

折尾駅東口駅舎と周辺の様子。(撮影:裏辺金好)

堀川側より駅舎を眺める。周辺の雰囲気も大きく変わるのでしょうか。(撮影:裏辺金好)

折尾駅舎を短絡線の踏切から。駅舎はレールに囲まれたいわゆる「デルタ地帯」の中にあることがわかります。駅を出たらどの方向に行っても必ずレールをくぐったり踏切を通ったりします。
(解説・撮影:AC20kV-DC1500V  禁転載)

毎年恒例だったイルミネーションによるライトアップ゚。(解説・撮影:AC20kV-DC1500V  禁転載)

▼東口駅舎内部


風格ある駅舎内部。(撮影:裏辺金好)

柱に設置された円形のベンチも現役です。昔は奥の柱にも設置されていた記憶があります。
(解説・撮影:AC20kV-DC1500V  禁転載)

天井です。90年あまりが経っていて多少リニューアルされていますが、それでも歴史の深さを醸し出しています。
(解説・撮影:AC20kV-DC1500V  禁転載)

改札口の様子。
(撮影:裏辺金好)

▼折尾駅西口


2番線と直結する西口。東口とイメージをあわせた小さな駅舎です。(撮影:裏辺金好)

▼筑豊本線(福北ゆたか線・若松線)1・2番線ホーム


右が1番線で非電化の若松線、左が2番線で当駅折り返しの福北ゆたか線が使用。(撮影:kajibooh)

2番線ホームにて。 (撮影:kajibooh)

車両の後ろに見えるのが、クロスしている鹿児島線ホーム。(撮影:裏辺金好)

折尾駅改札を入ってすぐの1番ホームから直方方面を臨む。意外にも結構な直線。
(解説・撮影:AC20kV-DC1500V  禁転載)

1番線に残るレトロな洗面所。(撮影:裏辺金好)

折尾駅北側の鹿児島線ガード下の踏切より。橋台のレンガをはじめ、ガード下は長年の石炭の煤などで真っ黒です。
90年あまりの歴史はこんなところにも刻まれています。
(解説:AC20kV-DC1500V/撮影:裏辺金好)

さらに、もう少し離れた場所から撮影。立体交差の雰囲気がよく解ります。 (撮影:kajibooh)

ホームの様子に戻り、2番線から3〜5番線へレンガ通路。
(撮影:裏辺金好)

▼鹿児島本線(3〜5番線)


3番線から5番線の鹿児島本線は、若松線・福北ゆたか線の上、つまり2階に設置。(撮影:裏辺金好)

5番線に停車中の特急「ソニック」。 (撮影:裏辺金好)

鹿児島線ホームの朝の光景。3番線に南福岡行きが入ってきた1シーン。通勤時間帯で乗降客もかなり多いです。
(解説・撮影:AC20kV-DC1500V  禁転載)

3番線ホームの裏側にある業務用通路の入り口。乗客が待つホームの裏側に設けられています。
昔の荷物電車などに荷物を運ぶのにも利用されていたようですが、詳細は残念ながら把握しておりません。
(解説・撮影:AC20kV-DC1500V  禁転載)

3番線ホームを貨物列車が通過していく。(撮影:kajibooh)

3番線ホームの様子(撮影:kajibooh)

一部には木造の骨組みが残っています。これも取り壊しで見納めに・・・?(撮影:kajibooh)

▼折尾駅鷹見口


鹿児島本線へ直通する福北ゆたか線の列車は、別の場所に設置された鷹見口を使用。
こちらは高度経済成長期の雰囲気(?)が漂う・・・かも。 (撮影:裏辺金好)

▼駅周辺の様子


こちらのレンガ3連アーチは、「ねじりまんぼ」と呼ばれる高度な技術が施されているためかどうやら残す方向のよう。
ちなみに、元西鉄北九州線のレールが上に通ってました。(解説・撮影:AC20kV-DC1500V  禁転載)

 折尾駅の南側、筑豊本線のレールです。自分が小学校の頃まではこの辺も複々線で、その区間は中間まで続いていました。もともとは石炭を運び出すために敷設されたため、若松方面がメインだったのですが、いまでは「支線」のような扱いになっています。
(解説・撮影:AC20kV-DC1500V  禁転載)

 短絡線(鹿児島線→福北ゆたか線)を走る817系。一番手前のレールが若松方面へつながるレールです。
(解説・撮影:AC20kV-DC1500V  禁転載)

別角度より撮影。(撮影:裏辺金好)

短絡線(鹿児島線→福北ゆたか線)の踏切。(撮影:裏辺金好)

着実に進行する区画整理。新たな駅前広場らしき場所も出現していました。(撮影:裏辺金好)

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