旧白河街道筋に設けられた旧滝沢本陣。延宝年間(1673〜1680年)に、会津藩主が参勤交代する時に、滝沢峠を越える供えの場所として、滝沢組郷頭の横山家に設けられたもので、主屋は本陣設置時から残る、福島県でも随一の古民家。また、これに連なる本陣座敷は19世紀初めに建てかえられた物で、類例が少ないもの。これが評価されて、滝沢本陣は国の重要文化財に指定されています。
平時には領内巡視や、藩祖保科正之をまつる土津神社の参詣時の休憩場所としても使用されたほか、戊辰戦争時には、官軍と戦った会津藩の本営が置かれ、軍事拠点としても使用。藩主である松平容保もここで指揮を執り、護衛についていた白虎隊もここから出陣。現在も本陣座敷の柱や襖に弾痕や刀傷が残っています。
(撮影&解説:裏辺金好)