中村家住宅〜沖縄県北中城村〜
中村家住宅は母屋が18世紀中ごろに建てられ、その他は明治時代に造られた住宅。戦火を免れた貴重な古民家であることから、国の重要文化財に指定されています。特徴としては、柱に琉球王朝時代の士族の家屋から移したものを使用しているほか、明治中期以降に竹茅葺から本瓦葺に改められた際、屋根の上に魔よけであるシーサーを置いています。
住宅の構成は主屋(ウフヤ=母屋)、トゥングワ(台所)、アサギ(離れ座敷)、高倉(籾倉)、フール(豚小屋兼便所)、メーヌヤー(家畜小屋兼納屋)、ヒンプン(目隠し塀)、カー(井戸)であり、周囲をフクギと石垣で囲んでいます。
ちなみに中村家は、その先祖である賀氏が、中城城の城主となった護佐丸と共に移ってきたと言われ、勝連城主の阿麻和利に護佐丸が滅ぼされると離散。その後、少しずつ力を取り戻し、1720年ごろに、この地方の地頭識に任命されました。
(撮影:裏辺金好)
○地図
○風景
外観
石垣で厳重に守られた外観。ご覧のように真っ直ぐ入ることは出来ません。
母屋(ウフヤ)
一番座(客間)、二番座(仏間)、三番座(居間)が並び、背後にはそれぞれ裏座があります。
離れ座敷(アシャギ)
首里王府の役人が、この地域に巡視に来た時に使用した部屋。
高倉(籾倉)
沖縄の伝統形式の丸柱ではなく、住居と同じ角柱を使い、壁や床が板張りであるのが特徴。御覧の通り、ネズミ返しとしての傾斜がつけられています。
メーヌヤー(家畜小屋・納屋)
井戸(カー)
母屋(ウフヤ) 内部
台所(トゥングワ)
ヒヌカン(火の神)が祀られています。
母屋(ウフヤ) 内部・裏座
主に寝室として使われました。
母屋(ウフヤ)のシーサー