有田川町鉄道公園〜和歌山県有田川町〜
  Aritagawa Railway Park in Aritagawa Town , Wakayama Prefecture

▼MAP

▼アクセス
JR紀勢本線藤並駅から有田川町観光施設巡回バスで「鉄道公園前」下車

▼関連サイト
有田川町鉄道交流館
  2002(平成14)年末に廃止された有田鉄道を後世に語り継ぐことを目的として、2010(平成22)年3月に開園しました。園内には鉄道交流館の他に、展示運転を行うための線路や自由に遊べる芝生広場が設けられています。なお、上写真の鉄道交流館は有田鉄道の歴史を紹介する施設。公園自体は無料で利用できますが、交流館は有料となっています。
 また、園内には正式な保存車両の他に金屋口鉄道保存会によって保存されている車両も存在しています。
(解説&撮影:リン)

○有田川町鉄道交流館と保存車両


Nゲージ
近隣の沿線風景を再現した大きなNゲージのジオラマが設置されており、車両を操作することもできます。



HOゲージ
 こちらは有田鉄道の往時の様子を再現。精巧に作られたキハ58003の走行シーンも見られます。写真は旧金屋口駅構内。写真中央やや左が現在の交流館の場所に当たります。右奥の駅舎や車庫は現在も残っています。


キハ58003
 正式な保存車両の1つで、富士急行が運行していた急行「かわぐち」用として導入されたキハ58形のコピー。増結用だったために両運転台とされているのが特徴です。有田鉄道の廃止後、有志の手により動態保存され、現在に至ります。構内の路線を使って実際に走行することもあります。


キハ58003車内
 キハ58形のコピーで、実際に部品など多くの部分を共有したため、車内の雰囲気はJR在籍車のそれと全く変わりません。細かく見ればいろいろ違いはありますが。


ハイモ180−101
 正式な保存車両の1つで、樽見鉄道から譲受されたレールバス。冷房を装備していたことから、小柄な車体ではあったものの有田鉄道の最末期の主力車両でした。レールバス草創期の車両であり、同じ和歌山県内の紀州鉄道のキテツ1形と合わせて、貴重な動く2軸車となっています。


D51 1081
 正式な保存車両の1つ。以前は藤並駅脇に保存されていたものの、同駅の橋上駅舎化に伴う整備と同時に公園入口脇に移設されました。藤並駅にいた時からテンダ車に解説板が貼り付けられています。

○金屋口鉄道保存会の所有する車両


キハ605
 1951(昭和26)年に常磐炭礦の職員輸送専用車として製造されて以降、岡山臨港鉄道〜紀州鉄道と渡り歩き、2000年1月に廃車。それに伴って当時はまだ現役だった有田鉄道金屋口駅構内で保存されることとなり、現在に至っています。エンジンは起動しないものの車両そのものを動かすことは出来る程度に整備されており、塗装も修繕されています。


DB20
 岡山県の三菱石油水島製油所で使用されていた機関車で、かつて有田鉄道に同型車が在籍していた縁から購入したものです。他の保存車両の移動などを行うためか、動態保存されています。


ト1
 新潟県の蒲原鉄道が所有していた無蓋貨車。他にも数両の貨車を購入して存していますが、ト1のみ先駆けて修繕が行われ綺麗な姿を取り戻しています。


ヨ6114
大阪府の個人が所有していたものを購入し保存しています。こちらも修復済みで綺麗になっています。

ワム1
 蒲原鉄道より購入した貨車の1つ。様々な改造が施され、詳細な製造時期は不明ながら、遅くとも大正時代には元となる車両が製造されていたと考えられています。以前のト1のように傷みが激しく、屋根は完全に抜けてしまっています。他の車両共々、今後の修繕が待たれます。


ワ12
 蒲原鉄道より購入した貨車の1つ。ワム1よりやや背が低いのが特徴。こちらもかなり傷んだ状態となっています。


ト2
 蒲原鉄道より購入した貨車の1つ。妻板や底板が朽ちてしまっていますが、元々はト1と同じ姿だったのでしょう。

○旧金屋口駅


旧金屋口駅舎
 鉄道公園の入口とは反対側になる場所がかつての金屋口駅に当たる部分です。現在もホームや駅舎がそのまま残されています。駅舎はバス会社として存続している有田鉄道の事務所として使用されています。駅名の看板は外されていますが、微かに文字を読み取ることが出来ます。


金屋口駅ホーム
 駅構内は留置線などがあるものの、ホームは1面1線。駅名標も残されたままとなっており、廃止から長い期間を経た今も現役当時とさほど変わらない印象を受けます。