岡寺は、663(天智天皇2)年に草壁皇子が居住していた岡の宮を、仏教道場として義淵僧正(?〜728年)に下賜されたのが始まり。現在は真言宗豊山派の寺院で、西国三十三ヶ所観音霊場の第七番札所です。
また、義淵僧正が優れた法力の持ち主で、近くの農地を荒らす悪龍を法力によって小池に封じ込め、大石で蓋をしたという伝説があります。これが「災いを取り除く」として、少なくとも鎌倉時代には岡寺と言えば厄除けの寺として高名で、日本最古のやくよけ寺として知られています。また、この伝説より岡寺の正式名称は龍蓋寺(りゅうがいじ)と言います。
本尊は国の重要文化財に指定されている如意輪観音像。日本最大、最古の塑像観音として非常に貴重なものです。また、壮大な規模の古建築である本堂や仁王門(上写真=1612(慶長17)年の建立で、国の重要文化財)は必見です。
(撮影&解説:裏辺金好)