山口家住宅ほか紀州街道周辺の古い街並み〜大阪府堺市堺区〜
   A Japanese Traditional House of Mr.Yamaguchi in Sakaii-ku , Sakai City , Osaka Prefecture

 路面電車である阪堺電気軌道に乗って妙国寺前電停、で降りると、道は随分と拡幅されましたが、そこはかつての紀州街道。よく見ると東側には古民家がいくつか残っているほか、さらに西側でも路地を歩けば、やはり古民家が数多く残っており、見所満載。

 特に後述する山口家住宅は、1615(慶長20)年の大坂夏の陣の戦火により堺の市街地が全焼した直後に建てられた、江戸初期の民家。日本国内でもトップクラスに古い民家であり、今も火災に遭わずに残っていることは驚きです。

 また妙国寺前電停で降りると、近くに堺刃物伝統産業会館(上写真)があり、堺の伝統工芸である刃物の歴史や様々な製品を見たり、購入することが出来たりします。今回は、このエリアの古い街並みを御紹介しましょう。
(撮影&解説:裏辺金好)

▼MAP

▼アクセス
阪堺電軌綾ノ町電停など

▼関連サイト
堺観光ガイド


○山口家住宅

山口家住宅 【国指定重要文化財】
1615(慶長20年)に起こった大坂夏の陣で市街地が全焼した直後に建てられた江戸初期の民家。

まずは全体の間取りからどうぞ。

内部は公開されており、見学が可能。



かまどだらけ!



江戸時代を通じて増築が続けられました。


江戸時代には「京の着倒れ大坂の食い倒れ」とともに、「堺の建て倒れ」と例えらたそうで、贅沢を凝らしています。





○その他の古建築

紀州街道沿いの古民家


榎並屋勘左衛門・芝辻理右衛門屋敷跡
どちらも江戸幕府の御用鉄砲鍛冶を務めた家で、堺の鉄砲鍛冶の中心。
この技術が、現在の堺の刃物や自動車産業へ発展しています。




堺鉄砲館
火縄銃が間近に見られるほか、製造技術について学ぶことが出来ます。


旧鉄砲鍛冶屋敷「井上邸」 【堺市指定有形文化財】
現存唯一の江戸時代の鉄砲鍛冶屋敷として非常に貴重なもので、「元禄二年堺大絵図」にも記載。
鉄砲鍛冶井上関右衛門の居宅兼作業場兼店舗です。非公開です。

旧ダイセル化学工業(旧堺セルロイド会社)堺工場事務棟
 このエリアを見た後は、南海電鉄七道駅へ抜けるのが大阪への帰り道としてお勧め。
 駅ホームから見えるこちらは、ダイセル化学工業堺工場の跡地で、阪神高速大和川線の予定となったために殆どの建物が解体された中、これだけ残された模様。1910(明治43)年の建築です。
 以前は、ここに立派なレンガ工場群が建ち並んでいました。