武雄温泉新館及び楼門〜佐賀県武雄市〜
約1300年前に書かれた「肥前風土記」の中に 「郡の西の方に温泉の出る巌(いわや)あり、・・・」と記されたほど古い歴史を持つ武雄温泉。伊達正宗、宮本武蔵や、江戸時代に日本全国を測量しまわった伊能忠敬、そしてシーボルトなども入浴しています。
その武雄温泉新館と楼門は、1914(大正3)年に建てられた和風建築が今も残り、国の重要文化財に指定されています。設計は、辰野・葛西事務所。東京駅などを手掛けたことで有名な、辰野金吾が設計にかかわり、彼の建築としては数少ない和風建築として非常に貴重なものです。
さて、上写真の新館は正面中央に玄関車寄せを備えた木造二階建の主体部を中心として,両翼を張り出した優美な和風建築で、朱塗りが実に美しいアクセントカラーとなっています。さらに、背面に浴室,便所を別棟で備えています。 (撮影&解説:裏辺金好)
○楼門
新館と同じく国指定重要文化財の楼門は、入母屋造本瓦葺の木造二重門で、竜宮門形式と呼ばれる形式です。