津山まなびの鉄道館〜岡山県津山市〜
○解説
津山まなびの鉄道館は、2016(平成28)年4月2日に「旧津山扇形機関車庫」をリニューアルオープンさせた鉄道博物館。旧津山扇形機関車庫は、JR津山線津山駅に隣接して残る扇形機関庫で、1936(昭和11)年に建設され、かつては蒸気機関車の車庫として使用されました。その規模は、京都の梅小路に次ぐ全国2番目の大きさで、奥行22.1mで17線という堂々たるもの。2007(平成9)年から期間限定で一般公開されるようになり、2009(平成21)年2月には近代化産業遺産に登録。その後は順次、車両の追加が行われていき、「津山まなびの鉄道館」としてのリニューアルにあたって、展示スペースの改装や拡張のほか、展示車両もD51形蒸気機関車などを加えて13両となり、日本有数の鉄道博物館へと成長を遂げています。また、公益社団法人津山市観光協会の運営によって通年開館するようになりました(※定休日である月曜日や年末年始を除く)。駐車場も用意されています。
(解説&撮影:裏辺金好 ※特記を除く)
○地図
○風景
転車台は、1930(昭和5)年に建設され、車両の方向転換に使われていました。
キハ33 1001
キハ33形は50系客車(オハ50形)を気動車に改造して誕生した一般用車両。山陰本線などで活躍しました。
キハ181 12
キハ181系は特急「つばさ」「しなの」「やくも」「はまかぜ」など本州各地で活躍しました。
キハ58 563
キハ28 2329
キハ58系は全国で活躍した急行用の気動車。この2両は急行「みよし」として活躍後、旧国鉄急行色に塗り替えられて津山で活躍していたものです。
キハ52 115
キハ52形はキハ20形をベースにエンジンを2基搭載した一般用車両。全国で活躍し、同車は大糸線で活躍を終えました。
D51 2
日本で製造された蒸気機関車としては最多の1115両が登場した「デゴイチ」。全国で活躍し、同機は交通科学博物館で展示されていたものです。
DF50 18
国鉄が初めて本格的に量産投入したディーゼル機関車。同機は高松運転所で活躍を終え、交通科学博物館で展示されていたものです。
DD13 638
国鉄が初めて量産投入した入換用ディーゼル機関車で、蒸気機関車の置き換えにより貨物ヤードの無煙化に貢献しました。同機は姫路機関区で活躍を終え、交通科学博物館で展示されていたものです。
DD15 30
DD13形をベースに開発された除雪用の機関車。同機は富山地域鉄道部富山運転センターに配属され、主に北陸本線で活躍しました。
DD51 1187
国鉄が1962年から投入した初の国産大型液体ディーゼル式機関車。同機は後藤総合車両所に所属し、1986年12月28日に余部橋梁で発生したお座敷客車「みやび」の転落事故の際に牽引機として連結されていました。
入換動車(10 トン車)
1950(昭和25)年に登場し、貨物入換機として全国各地の駅や工場などで活躍。分類上は機械扱いです。なお、同機は米子駅で活躍。
DE50 1
1970年に国鉄最大の出力を持つディーゼル機関車として誕生。しかし、この1両の製造で終わりました。なお、岡山機関区で活躍を終えています。
DD16 34
DE10形を更に短くしたような形で、簡易線向け設計されたディーゼル機関車。同機は大糸線で除雪車として活躍したもので、展示にあたっては扇形車庫の有効長の関係で、ラッセルヘッドは片側のみ保存。
Nゲージジオラマ
○津山扇形機関車庫時代(2010年11月)
まだ車両は数少ない状態。
後に収蔵されるキハ58系は最後の活躍。
○津山扇形機関車庫時代(2012年6月/撮影:リン)
キハ58系やキハ181系が加わり、賑やかに。現在とは車両の数も配置も異なっています。