栗林公園〜香川県高松市〜
香川県高松市の栗林公園は、高松藩の大名庭園に由来する広大な日本庭園。紫雲山を借景として6つの池と13の築山を巧妙に配し、壮大な景観を造りだしているのが特徴です。16世紀後半、この地の豪族である佐藤氏によって作庭され、さらに1625年ごろに、高松藩第4代藩主の生駒高俊(いこまたかとし)によって南湖一帯が整備されたことにより、現在の規模になりました。
1642(寛永19)年に生駒高俊は移封され、代わって松平頼重(よりしげ)が高松藩主になります。栗林公園も松平家に引き継がれ、整備が進められていきました。その結果、1745(延享2)年の松平頼恭の時代に完成しました。
そして明治維新後の廃藩置県で高松藩が無くなると、1875(明治8)年3月16日に栗林公園は県立公園となって一般開放されます。1953(昭和28)年3月31日には、国の特別名勝に指定され現在に至ります。
このページでは栗林公園の北門(藩政時代は正門)から約1時間かけて園内をぐるっと一周した風景を御紹介します。基本的に写真がメインで文章は少ないですが、タップリと御紹介しますのでお楽しみください。
(撮影&解説:裏辺金好)
○風景
芙蓉沼
見ごろは夏。約1000株の蓮(はす)の花が湖面を覆います。
旧・香川県博物館(現・商工奨励館)
1899(明治32)年築。 現在は、香川県の特産品の展示即売や製作実演を行っています。
旧・香川県博物館(現・商工奨励館)
旧・香川県博物館(現・商工奨励館)
箱松・屏風松
南側(左側)の背丈の低い松が箱松、北側(右側)の背丈の高い松が屏風松。
北湖
梅林橋(赤橋)
夫婦松
見返り獅子・牡丹石
日暮亭
1898(明治31)年築の石州流の茶室。
講武しゃ (*木へんに射)
藩政時代は馬術や弓矢の鍛錬を行っていた場所。
掬月亭(きくげつてい)
歴代の藩主が使用した茶室。玄関が無く、どこからでも入れるように沓脱石(くつぬぎいし)が置かれたのが特徴。
桶樋滝(おけどいのたき)
人工の滝で、藩主がここを通るときに水を人力で汲み上げ、流しました。
このとき、山の中腹に置いた桶を使ったことからこの名前になりました。
旧日暮亭
旧藩時代から残る茶室ですが、明治初期に払い下げられ園外に移築。
1945(昭和20)年に有志によって再移築されました。既に新たな日暮亭があったことから、「旧」となっています。
なお、写真左手の出っ張っている部分は、この時に付け加えられたものです。
こちらは増築部分。
小普陀(しょうふだ)
石組みのある築山で、かつて豪族の佐藤氏が作庭したときの場所。
南湖
偃月橋(えんげつきょう)
北湖
群鴨池(ぐんおうち)