旧・豊後森機関庫&転車台〜大分県玖珠郡玖珠町〜
○解説
旧・豊後森機関庫及び旧・豊後森機関庫転車台は、国の登録有形文化財及び近代化産業遺産に指定されている鉄道施設の跡。1934(昭和9)年の久大本線全通に伴い設置された豊後森機関区の施設として、森駅の南東側へ同年に竣工したもので、当初は10両機関車庫と機関車庫西端部に技工長室・道具置場が設置された後、2両分が増築。急峻な水分峠越えを行う前の蒸気機関車の交換等で大いに活躍する一方、1945(昭和20)年にはアメリカ軍による機銃掃射で職員3名が死亡するという痛ましい出来事も発生しています。
1970(昭和45)年に久大本線から蒸気機関車が姿を消し無煙化を達成すると、翌年に豊後森機関区は廃止されて線路は剥がされました。しかし、特徴的な扇形機関車庫と転車台はその後も残り、今や九州唯一の存在に。昭和末期から住民による保存運動が起こり、2005(平成17)年に玖珠町がJR九州から土地と建物を購入し、活用が進められています。2015(平成27)年6月10日には、志免町から譲渡された蒸気機関車9600形(29612号機)が設置され、往時の雰囲気が再現されています。
さらに、同年11月8日には機関庫と同時期に建てられた木造平屋建ての建物を改修した豊後森機関庫ミュージアムがオープン。水戸岡鋭治氏のデザインでリニューアルされ、資料の展示や木製の遊具”木のプール”が設置されています。
(1・2枚目写真撮影:kajibooh/3枚目以降撮影&解説:裏辺金好)
○地図
○風景
転車台 【国登録有形文化財】
蒸気機関車移設前の様子
蒸気機関車移設前の様子
ちなみに豊後森駅は、豪華寝台列車「ななつ星」停車にあわせて水戸岡鋭治氏のデザインでリニューアル。
改札の様子
ホームの様子