新居関所〜静岡県湖西市〜
○解説
静岡県湖西市新居町にある新居関所は、江戸時代に東海道の舞坂宿(静岡県浜松市西区)と新居宿(静岡県湖西市)に設置されたもので、正式名称は「今切関所」。関所建築としては、唯一現存しているのが特徴であり、国の特別史跡に指定されています。元々は1600(慶長5)年に現在よりも少し東、今切口に建てられましたが、元禄年間の津波による移転を経て、1707(宝永4)年の宝永地震による全壊により、翌年に現在地へ移転。さらに、1854(嘉永7)年の安政東海地震により大破したため、翌年に改築。これが現在も見られる建物であり、1869(明治2)年の関所廃止まで面番所として使われ、その後は小学校や役場などで使われてきました。
とは言え他の建物は現存していない他、浜名湖の一部埋立て等によって船着場があった頃の景観は失われています。一方、2002(平成14)年に船着場・護岸の整備、2015(平成27)年に枡形広場の土塁柵、高札場および大御門の復元が行われ、往時の景観を少しずつ取り戻しています。なお、江戸時代の地名は「荒井」であり、明治時代に「新居」と改められています。
(撮影&解説:裏辺金好)
○場所
○風景
土塁柵、高札場および大御門
大御門は高さ5.7m、門扉の幅4.6m。現在の歩道上に設置されていることから、常に開放されています。
高札場
面番所
船着場と護岸
新居宿の風景
大御門の西側が東海道の新居宿。
紀伊国屋資料館 【湖西市指定文化財建造物】
紀州(和歌山)藩の御用宿で、現在の建物は明治初めに再建されたもの。戦後まで旅館として営業していました。