旧和歌山県議会議事堂〜和歌山県岩出市〜
○解説
岩出市に移築されている旧和歌山県議会議事堂は、1898(明治31)年に和歌山城の東、和歌山市一番町に建てられたもの。正面より本館、議場、控室の各部に分かれます。当時の県庁は洋風建築でしたが、議事堂は和風の木造2階建て建築という意匠でした。ただし、小屋組には様式のトラス構造が採用されています。
1938(昭和13)年に議場を備えた県庁が完成すると、1941(昭和16)年に保証責任和歌山県信用購買販売利用組合連合会(現・JA和歌山)へ売却され、和歌山市美園町へ移築されて事務所として利用。さらに、1962(昭和37)年に岩出市の根来寺へ移築され、寺の山号の「一乗山」に因んで「一乗閣」と名付けられ、大客殿として集会や合宿場としても使用されました。
そして、2012(平成24)年〜2015(平成27)年度に保存修理が行われ、根来寺近くへ再移築の上で一般公開されています。なお、和歌山県指定文化財となっています。
(撮影・解説:裏辺金好)
○場所
○風景
正面車寄せに施された華麗な彫刻
正面入口
議場
2階 議員休憩室
2階 書記室
2階 議長室