脇町うだつの町並み〜徳島県美馬市脇町〜
○解説
徳島市美馬市脇町の南町に残る「うだつの町並み」は、重要伝統的建造物群保存地区に指定された古い町並みで、屋根は本瓦葺、防火に重点をおいた2階の「虫籠窓」、そして屋根の両端にある漆喰(しっくい)塗りの卯建(うだつ)が特徴です。卯建は元々、防火を目的としたものですが、装飾を兼ねるようになり、華美なものも存在。「うだつが上がらない」の由来です。
また、この町は江戸時代から明治時代にかけて阿波藍の集散地として栄えた場所で、船着き場が整備され、河川交易の玄関口でした。
(撮影&解説:裏辺金好)
○場所
○風景
舟着場公園
吉野川の氾濫に備えた、段状に連なる高い石段が特徴。
田村家
宝永8年築。この地区で2番目に古い建物で、江戸時代は藍商を営む赤谷屋が所有していました。
森家
明治13年築。9代目当主が大正9年から昭和29年まで診療所を営んでおり、今もその施設が残っているそうです。
国見家
主屋は宝永4年築で、この界隈で最も古い建築。表通りから吉野川に達する広い敷地を持ち、川岸にも門があります。
吉田家 【美馬市指定文化財】
寛政4年築。脇町最大の床面積をもつ、藍商の家です。
蔀戸(しとみど)
野崎家
1791(寛政13)年築。
格子造り(出格子)
脇町劇場 【美馬市指定文化財】
1934(昭和9)年築。戦後は映画館として使用され、1996(平成8)年の松竹映画「虹をつかむ男」の舞台となっています。