妙宣寺(雑太城)〜新潟県佐渡市〜



○解説

 妙宣寺は日蓮宗の寺院で、新潟県内唯一の五重塔(国指定重要文化財)が残ります。佐渡に配流された日蓮に帰依した、阿仏房日得が自宅を寺として開基したのが始まり。
 この場所はもともと、鎌倉時代から戦国時代まで佐渡国を支配した本間氏の雑太城があった場所で、1589(天正17)年に上杉景勝が佐渡を攻略したことに伴い、妙宣寺に与えられ移転。現在に至っています。
(撮影:リン/解説:裏辺金好)

○場所



○風景


仁王門
1677(延宝5)年築。朱塗りの跡が見られます。



五重塔 【国指定重要文化財】
1827(文政10)年築。佐渡相川の宮大工である茂三右ェ門親子が二代に渡り建立したもの。逓減率が低いのが特徴であるほか、組物は和様、禅宗様の肘木を混用。また、初層の軒蛇腹を二重に折り上げ、上層を扇垂木にするなど意匠をこらしています。

山門

山門付近に残る土塁

番神堂

日野資朝の墓
1324(正中元)年、後醍醐天皇の側近であった日野資朝は鎌倉幕府の討幕を企てるも失敗し、翌年に佐渡に配流されます(正中の変)。1331(元弘元)年に後醍醐天皇が楠木正成などと挙兵し、鎌倉幕府に鎮圧されたことに伴い、翌年に日野資朝は処刑されました。


粗師堂
1880(明治13)年築。

本堂
1863(文久3)年築。佐渡でも随一の大きな本堂です。

庫裏
1862(文久2)年築。破風造の茅葺大屋根が特徴です。用材はすべて赤松を使用し、8間の通し柱を6本並列。

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