高岡大仏・山町筋と金屋町の町並み〜富山県高岡市〜


 まずは高岡大仏の紹介から。
 駅前の商店街の一つであるオタヤ通りから真っ直ぐ進むと見えてくるのが高岡大仏。これは、銅器の生産で有名な高岡の銅で作った町のシンボル的存在。1907(明治40)年に着工され、1933(昭和8)年に完成したもので、総高15.58m、建設に使った青銅は1万3125kg! その規模は奈良・鎌倉に次ぎ、日本三大大仏の1つを名乗っています。
 なお、銅器作りは現在も高岡の主産業の一つとなっており、時々テレビでも紹介されていまして、主に、お寺の鐘、銅像など製造しています。
(撮影:裏辺金好)

○場所



○金屋町の古い町並み

 高岡市中心部付近には古い街並みが2カ所保存されています。その1つが、これから紹介する金屋町です。ここは、高岡銅器発祥の地であり、昔ながらの格子(こうし)作りの家が今も軒を連ねています。電柱も地下に埋められており、さらに路面には銅片が埋められており、ムードを一層高めています。











高岡市鋳物資料館



○山町筋の古い町並み

 高岡で保存されている街並みのもう一つが、次に紹介する山町筋の土蔵造りの街並みです。
 これは、1900(明治33)年の大火で市街地を焼失してから、昭和初期にかけ建造された防火建築群で、駅からちょっとだけ歩いたところにあります。2002(平成14)年に、全国伝統的建造物群保存地区に指定され、整備が急ピッチで進んでいます。
 以前だったら、「古い」の一言で片づけられた建物達ですが、どのような建物なのかの紹介や、見所など、ずいぶんと整備されて、こうなると立派な観光名所です。写真は、下の方にまとめて載せておきますが、1つ1つ、屋根の形や、窓の形など、それぞれが特徴的で素晴らしい建物ばかりです。行けば、見所の書いたパンフレットをくれますので、建築のことがよく解らない人でも、簡単に見所を堪能できます。
 金屋町は職人の街、山町筋は商人の街という位置づけです。街並みの雰囲気はやはり違いますね。


旧高岡共立銀行本店(現・富山銀行本店) 【国登録有形文化財】
 1914(大正3)年築。設計は清水組の田辺淳吉で、辰野金吾が監修したとも云われます。




高岡御車山会館
 2015(平成27)年オープン。山車7基の内の1基と、新たに制作された「平成の御車山」などが展示されています。

井波屋仏壇店(旧・林屋茶舗)
 1905(明治38)年築。鋳物製の唐草模様で飾る大きなアーチ窓を置く独特のデザインが特徴です。


塩崎家住宅
 主屋は1909(明治42)年築。1934(昭和9)年に大通りが拡幅されたため、建物左側が欠きとられ、擬石の壁面となっています。



筏井家住宅 【富山県指定文化財】
 1903(明治36)年築。綿糸などを卸売りする商家。建物の特徴としては、2階の観音開きの土扉が、全て開けたときに一体化して収まるように設計されていること。


菅野家住宅 【国指定重要文化財】
 1900(明治33)年築。菅野家は代々、高岡随一の商家として活躍した家柄です。

高岡市土蔵造りのまち資料館(旧・室崎家住宅) 【高岡市有形文化財】
 詩人の室崎琴月生誕の家。室崎琴月は、北原白秋などと共に活躍した人物です。


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