静岡浅間神社〜静岡県静岡市葵区〜
静岡浅間神社(しずおかせんげんじんじゃ)は、賤機山(しずはたやま)の麓に鎮座する神部神社(かんべじんじゃ)、浅間神社(あさまじんじゃ)、大歳御祖神社(おおとしみおやじんじゃ)という三社の総称で、通称「おせんげんさま」。
神部神社は第十代崇神天皇の御代(約2100年前)に創建されたと伝わる、非常に由緒ある神社で平安時代には駿河国総社に。浅間神社は901(延喜元)年に醍醐天皇の勅願により富士山本宮(富士山本宮浅間大社)より分祀されたもの。また、大歳御祖神社は応神天皇の時代(約1700年前)の創建と伝わる、こちらも由緒ある神社です。
古来より朝廷や国司の奉幣や祈願の尊崇を集めたほか、室町時代から戦国時代にかけては今川範国や今川義元など、今川家が庇護します。今川氏の人質だった、のちの徳川家康も今川義元が烏帽子親となってここで元服式を実施。
さらに、1582(天正10)年には徳川家康が賤機山に築かれていた武田氏の賤機山城を攻略するにあたり、無事成功したら壮麗な社殿を再建するとの誓いを立てた上で焼き払い、戦後に約束通り社殿を再建。さらに、大御所となってから駿府に戻った徳川家康が当社を庇護したことから、歴代将軍の祈願所として手厚く庇護されています。
現在みられる建物の多くは、1804(文化元)年から始まり、三期に分けて行われた一連の事業で造営されたもの。なんと建物26棟が国指定重要文化財という、大変見ごたえのある神社です。
(解説&撮影:裏辺金好 ※特記を除く)
○地図
○風景
石鳥居
背後に総門、楼門が見えますが、写真撮影時は楼門が修復中。(撮影:ネオン)
総門 【国指定重要文化財】
1817(文化14)年築。
楼門 【国指定重要文化財】
1816(文化13)年築。
神厩舎 【国指定重要文化財】
1861(文化14)年築。
舞殿 【国指定重要文化財】
1820(文政3)年築。
拝殿 【国指定重要文化財】
1710(文政7)年築。桁行七間、梁間四間、二重、入母屋造、本瓦形銅板葺。
神部神社・浅間神社北中門(右)、南中門(左)、本殿(奥) 【国指定重要文化財】
1813(文化10)年築。本殿は七間社流造、本瓦形銅板葺。このほか、北透塀と中透塀、南透塀も同時に完成したもので、国指定重要文化財。
北回廊・南回廊 【国指定重要文化財】
1813(文化10)年築。南回廊も同様。
少彦名神社本殿 【国指定重要文化財】
1850(嘉永3)年築。桁行三間、梁間二間、一重、入母屋造、本瓦形銅板葺。
宝蔵 【国指定重要文化財】
1854(嘉永7)年築。
八千戈神社中門、北透塀、南透塀、本殿 【国指定重要文化財】
いずれも1839(天保9)年築。
麓山神社拝殿 【国指定重要文化財】
1824(文政7)年築。麓山は「はやま」と読みます。
麓山神社中門、透塀、本殿 【国指定重要文化財】
1822(文政5)年築。本殿は三間社流造、本瓦形銅板葺。
大歳御祖神社中門、透塀、本殿 【国指定重要文化財】
1826(文政9)年築。本殿は三間社流造、本瓦形銅板葺
大歳御祖神社赤鳥居