一之宮 貫前神社/富岡市社会教育館〜群馬県富岡市〜
一之宮 貫前神社(ぬきさきじんじゃ)は社伝によると、安閑天皇元年(534年頃?)に鷺宮(現在の安中市内と推定)の物部姓磯部氏が氏神である経津主神を祀ったのが最初と云われ、平安時代からその名前が文献に見られる非常に古い歴史を持つ、上野国一宮です。
その特徴は、参道の石段を上がり蓬ヶ丘上にある大鳥居・総門をくぐると、今度は石段を下り、綾女谷の本殿に参拝する建物配置であること。また、本殿、拝殿、楼門、回廊は、江戸幕府第3代将軍の徳川家光が1635(寛永12)年に造営させたもの。1698(元禄11)年に第5代将軍の徳川綱吉が現在みられる極彩色の華麗な建物へ大規模に改修。国の重要文化財に指定されています。
また、貫前神社の東側にある富岡市社会教育館は、1935(昭和10)年築で国の登録有形文化財。1934(昭和9)年に群馬県で陸軍特別大演習が行われた際、昭和天皇が貫前神社を参拝されたことを記念し、敬神崇祖精神高揚事業期成会が組織されて建設が進められたもので、1936(昭和11)年3月に青年男女の精神修養を目的とした「東國敬神道場」として供用を開始しました。
戦後は群馬県の管理となり、各種研修やイベントの場として使用。2005(平成17)年からは富岡市の管理となり、現在の名称となっています。
(撮影・解説:裏辺金好)
○地図
○風景
参道を登り、大鳥居に振り返るとこの風景。高い位置にあります。
旧・一ノ宮町役場庁舎 【国登録有形文化財】
1928(昭和3)年築。1950(昭和25)年に3階部分を増築し、1954(昭和29)年3月まで一ノ宮町役場庁舎、同年4月から富岡市一ノ宮出張所として使われたのち、群馬県に寄付されて群馬県立博物館、群馬県立自然科学資料館として使用。さらに1998(平成10)年から富岡市のシルバー人材センターとして使われています。
群馬県内では古例である鉄筋コンクリート造の庁舎建築です。
総門
楼門・回廊 【国指定重要文化財】
拝殿 【国指定重要文化財】
正面三間、側面三間、入毋屋造で正面に軒唐破風を付けています。御覧の通り、極彩色で見事な建築です。
本殿 【国指定重要文化財】
桁行三間、梁間三間、一重二階、入母屋造。こちらも極彩色で、拝殿と共に見事な美しさ。
末社 月詠神社
寛永12年以前の旧拝殿を牛王堂として使用し、明治維新後に月詠神社と改称。このほか、日枝神社は旧本殿を転用したものと伝わります。
勅使門/勅額鳥居
勅使門は不明門(あかずのもん)とも。元々は朱雀天皇(位 930〜946年)の代に勅使参向のため設けられたもので、1年に3回しか開門しません。
富岡市社会教育館 【国登録有形文化財】
1935(昭和10)年築。写真は玄関及び事務室棟で、軒先を鉄板葺とする桟瓦葺の寄棟造です。
富岡市社会教育館 【国登録有形文化財】
富岡市社会教育館 【国登録有形文化財】
富岡市社会教育館 【国登録有形文化財】
こちらは講堂。
富岡市社会教育館 【国登録有形文化財】
こちらは和室。