深川江戸資料館〜東京都江東区〜
深川江戸資料館は1986(昭和51)年に開館した江東区立の資料館で、かつて深川区役所があった場所に建設されました。江戸時代末(天保年間末期の1840年代頃)の深川佐賀町の町並みを館内にて実物大で再現し、肥料問屋や船宿、長屋などが建ち並び、生活用品に至るまで当時の情景が再現されています。
2010(平成22)年に7月にリニューアルオープンしています。
(撮影・解説:裏辺金好)
○地図
○風景
大店肥料問屋「多田屋」
隅田川河口にあって大船の出入りに便がよい佐賀町では、こうした店舗と倉庫が建ち並びます。
八百屋「八百新」
舂米屋
舂米屋土蔵
町木戸
治安維持のために設けられたもので、午前6時ごろ(明けの六ツ)に明けて、午後10時ごろ(夜の四ツ)に閉められました。開閉は町ごとに行い、町が雇った木戸番が担当しました。展示室では再現されていませんが、木戸番は門の脇には番屋に住み込み、なんと草履や草鞋(わらじ)、鼻紙などの日用品から駄菓子、焼き芋、金魚まで売ることもあったとか。いわばコンビニエンスストアとして重宝されたそうです。
掘割と猪牙舟
船宿「升田屋」「相模屋」
もともとは船で遊びに行く客を送り迎えするところであった船宿。左の升田屋は堅実、相模屋は派手という設定です。
船宿「相模屋」
長屋エリア
通路真ん中の木製のふたは、両側の家の屋根から落ちる雨水を受ける下水。幕府は法令によって、このように木製のふたで水以外のものが下水道に流れないようにし、河川へ放流していました。これによって河川の水質汚濁や富栄養化を防がれました。
長屋の井戸と稲荷
木場の木挽職人
大鋸や鳶口、大工道具が置かれた長屋です。
火の見やぐら
天保年間の江戸では、立ったまま食べるファーストフードだった天ぷら。
二八そばの屋台。再現された屋台は、なんと調理器具やソバ玉を茹でる湯水まで備えていました。屋台と言いつつ、実際には移動しづらかったかも。
水茶屋
現代でいうところの喫茶店。お茶の葉っぱを売る店を「葉茶屋」というのに対し、液体のお茶を販売する店舗は水茶屋と称しました。
稲荷鮓
当時は油揚げにご飯を詰めて売っており。わさび醤油をつけて食べました。当時の江戸は「男性都市」とも表現されるように、参勤交代でやってきた武士など、単身の男性が多かったことから、このような外食のお店が発達しました。