港区立伝統文化交流館(旧・協働会館)〜東京都港区〜
港区立伝統文化交流館(旧協働会館)は、1936(昭和11)年に芝浦花柳界の見番として建設された、都内に現存する最古級の木造見番建造物。見番とは、「置屋」「料亭」「待合」からなる「三業」を取りまとめ、芸者の取次や遊興費の清算をする施設のことです。当時の芝浦は、活魚料理の料亭が軒を連ねていたほか、多くの芸者を抱える花街として栄えていました。
戦後は東京都により港湾労働者の宿泊所「協働会館」として使われていましたが、老朽化に伴い2000(平成12)年に閉鎖。周囲がマンション等に次々と改築されていく中、この建物は幸いにも港区によって保存整備工事が行われ、2020(令和2)年4月1日から一般公開が開始されました。港区指定有形文化財です。
(撮影・解説:裏辺金好)
○地図
○風景
正面から。原建物は目黒雅叙園も手掛けた酒井久五郎(1899〜1994)が棟梁を務めています。また、再整備は建築家の青木茂が設計を担当し、増築部分にエレベーターなどのバリアフリー設備を完備しています。2020(令和2)年にグッドデザイン賞を受賞しました。
階段
1階は展示室や福祉喫茶として活用
2階は「百畳敷」と呼ばれた大広間で、現在は様々なイベントに活用されています。