旧円通寺客殿(旧木村家住宅主屋)〜神奈川県横浜市金沢区〜
2022(令和4)年4月1日、京急の金沢八景駅に隣接した場所に金沢八景権現山公園が開園しました。ここは、同公園内にあった東照宮(※現存せず)の別当である円通寺があった場所で、1868(明治元)年に神仏分離令により廃寺となりますが、茅葺屋根の客殿が残されています。
客殿は東照宮が再建(修復)された1802(享和2)年あるいは1843(天保14)年に建築されたと考えられ、東照宮を詣でる身分の高い参詣客を迎えるために使われました。式台玄関や、書院造りの奥座敷などが格式の高さを表しています。
明治維新後は円通寺の住職であった木村家の住宅として、大きな改変もなく使用され、2015(平成27)年に木村家から横浜市へ寄贈。1997(平成9)年に横浜市認定歴史的建造物、2016(平成28)年に特定景観形成歴史的建造物となっています。
(解説:裏辺金好)
○地図
○風景
1839(天保10)年の「相中留恩記略」に描かれた円通寺の境内。
円通寺客殿と東照宮跡。
玄関部分
修復前の姿(2009年5月撮影)
広間
奥座敷
三つ葉葵の釘隠し
土間と仲間部屋
敷地内には、鎌倉時代から室町時代にかけて横穴墓や供養堂として使われた、やぐらが残されています。