大浦天主堂と周辺の近代建築〜長崎県長崎市〜
  Oura Tenshudo and Modern architectures in Nagasaki City , Nagasaki Prefecture


 洋風建築では初の国宝に指定されている大浦天主堂。
 幕末である1864(元治元)年、フランス人プチジャン神父に建てられた日本最古の木造ゴシック造りの教会で、正式名称は「日本26聖殉教者聖堂」といいます。26聖人とは、豊臣秀吉によって長崎で死刑になった宣教師6人と日本人信者20人のこと。
 グラバー園の脇にあり、長崎観光でも特に人気のスポットです。なお、内部は撮影禁止のため、大浦天主堂で紹介できる写真はこれだけ。ということで、ここでは周辺の近代建築(グラバー園を除く)をご紹介したいと思います。
(解説&撮影:裏辺金好)  

▼MAP

▼アクセス
長崎電気軌道大浦天主堂下より徒歩

▼関連サイト
大浦天主堂公式サイト



大司教館
 大浦天主堂の手前脇にある洋館(大正3年築)。背後に少し見えるのは、旧ラテン(羅典)神学校(1875=明治8年築)で、ドロ神父による設計。国の重要文化財に指定されています。


旧・長崎税関下り松派出所(現・長崎市べっ甲工芸館) 【国指定重要文化財】
1898(明治31)年築。建物の下部を囲むレンガ塀は印象的。貿易港長崎の歴史の生き証人です。


旧・香港上海銀行長崎支店(現・旧香港上海銀行長崎支店記念館) 【国指定重要文化財】
 1904(明治37)年築、設計は下田菊太郎で、長崎の石造建築の中でも特に大きなものです。銀行は1931(昭和6)年に閉鎖され、警察署庁舎、歴史民俗資料館として利用。一時は解体の計画もありましたが、多くの市民の声を受けて長崎市が保存整備を行い、現在は長崎市旧香港上海銀行長崎支店記念館として活用。
 1階では当時の様子を再現し、2階は喫茶店と長崎の歴史を紹介する場所となっています。


旧・東山手十六番館(現・歴史資料館) 
1860(万延元)年築。グラバー園を出て直ぐのところにある洋館で、初代アメリカ領事館員の宿泊施設として建設。
現在地(南山手)に移築復元されていますが、グラバー住宅より古い建築で、日本最古の洋館です。

宝製鋼株式会社
1902(明治35)年築。


南山手乙九番館(須加五々道美術館)
明治中期築。2002(平成14)年より須加五々道美術館として利用されています。


杠葉病院本館
明治中期築。杠葉(ゆずりは)氏の住宅兼病院です。


杠葉病院別館
明治中期築。


マリア園
1898(明治31)年築。