松代象山地下壕 〜長野県長野市〜
松代駅から徒歩15分の場所にある松代大本営跡。第二次世界大戦の末期に軍部が本土決戦最後の拠点として、極秘のうちに皇居と大本営などを松代に移すという計画を元に造られかけた地下壕で、舞鶴山(まいづるやま)を中心として、皆神山(みなかみやま)、象山(ぞうざん)の三か所に碁盤の目のように掘り抜かれ、総延長は約10kmです。
2億円の費用をかけ1944(昭和19)年11月11日から終戦の1945(昭和20)年8月15日までに計画の約75%が完成しましたが、終戦。建設にあたっては地元を含めた日本人や朝鮮人が数多く従事し、食糧事情等で亡くなった方も多数いたと云われます。
このうち今回ご紹介する松代象山地下壕1990(平成2)年からが一般公開され、約5900kmの延長のうち約500mを見学することができます。こちらは政府の各省庁を移転させる予定だったと云われます。このほか、舞鶴山地下壕は延長約2600mで、天皇御座所、参謀本部、学習院の移転先、皆神山は延長約1900mで軍司令部を移転させる予定だったと云われます。
なお、舞鶴山地下壕は1947(昭和22)年に中央気象台松代分室が設置され、現在は気象庁松代地震観測所として使用されています。創設以来、海から遠く、安定した岩盤という優れた観測環境と最新の観測機器の導入等によって地震防災、学術、国際協力で重要な役割を果たし続けています。また、天皇御座所は現在も残り、建物の外から見学ができます。
(撮影・解説:裏辺金好&リン)
〇地図
○風景
松代象山地下壕鳥観図
松代象山地下壕案内図
岩に突き刺さったままの削岩機ロッド
木片(電気配線跡)
トロッコの枕木跡
非公開エリア
壕の東西・水平を測った測点跡