ボーイング737
     Boeing 737


スーパードルフィンの愛称を持つエアーニッポンの737−500
(写真:福岡空港/撮影:デューク)

●基本データ・就航区間
登場年:1967年
(国内)使用航空会社:日本航空グループ・全日空グループ・スカイマーク・AirDo・スカイネットアジア航空
(国内)就航路線:羽田〜宮崎・中部〜福岡等多数

●機体の解説
 1960年代に入り、航空需要が大きく伸びてくると、それまでプロペラ機が就役していた地方路線についてもジェット化の要望が出るようになっていた。この声に応えてボーイング社が投入したのがボーイング737で、プロペラ機の置き換えを目指して投入された小型のジェット旅客機である。
 1967年に初飛行した後、翌年から本格的に営業運行に入った。小型とはいいながら、当時の大型機の一員であった707と同じサイズの胴体を採用しており、通路を挟んで3列ずつのシート配置が可能であり、地方路線のジェット化に大きく貢献した。
 初期モデルが737−100と200で、その後性能を改善し、高バイパス比のエンジンを搭載した737−300に移行、さらに胴体をストレッチした−400、胴体は従来のままながら航続距離を伸ばした−500などが登場し、使いやすさも手伝い、ベストセラーとなった。
 また、1990年代の後半には777などで採用された最新装備などを採用した−600以降の機体も登場、これ以降の機体は737NGシリーズと呼ばれ、現在も生産中である。
 日本では、全日空が737−200を採用したのを皮切りに、現在でも多くの航空会社が採用し、身近な機種のひとつとなっている。ちなみに、737は短距離のローカル線向けの機体であったが、現在の国内線では羽田〜石垣間の直行便は737で就航しており、実は年間を通して運行される国内線最長フライトを行っている機体であったりもする(これは、石垣空港が737以上のジェット機を運用する能力を持っていないのが原因)。
 また、今後は日本の航空会社においても近距離国際線に積極的に投入される予定で、すでに全日空の737−700は中部〜台北間等の国際線運用に就いている。なお、737−700ERでは4000マイル以上の長距離路線にも投入されており、737イコール近距離路線という構図は崩れようとしている。

●ギャラリー

 エアーニッポンの737−500。全日空グループの一員のため、トリトンブルーの塗装となっている。
 ちなみに737−500はエアーニッポンが初めて自社発注した機体である。今後は、垂直尾翼の「ANK」は「ANA」に改められ、胴体の側面にオペレーター名が入る形になる。
(写真:大島空港/撮影:デューク)

 オペレーター部分をANAとした−500。JJ統合の影響なのか、2004年から便名をすべてANAとした全日空グループだが、機体の塗装も統一されつつある。ちなみにオペレーター名は「ANA//」の横に小さく書かれている。
(写真:八丈島空港/撮影:デューク)

 全日空の737−700ゴールドジェット。
 737−700を導入した全日空に対して、最初に引き渡した2機についてボーイングが施したスペシャルマーキング。
(写真:関西空港/撮影:ムスタファ)

 全日空の新鋭機として活躍中の737−700。中部〜台北間の国際線運用もあるため、ウィングレットが装備されている。日本の航空会社の機体としては珍しく国内線・国際線両用機材である。
 このうち1号機と2号機についてはブルーではなくゴールド塗装となっている。
(写真:福岡空港/撮影:デューク)

 日本航空グループ一員である日本トランスオーシャン航空の737−400。
 オペレーター名が違うが全体的にイメージは日本航空のものとほぼ同じものとなり、一体感がでている。
(写真:羽田空港/撮影:デューク)

 こちらはJALエクスプレスの737−400。
 日本航空グループのLCCという位置づけのJALエクスプレスだが、外見は日本トランスオーシャン航空の機体とあまり変わらなくなった(ロゴとか細かい部分だけ)。
(写真:那覇空港/撮影:デューク)

 日本トランスオーシャン航空の旧塗装。垂直尾翼の塗装に特徴があった。
 あまり現在と変わらない印象ではあるが。
(写真:那覇空港/撮影:デューク)

 JALで運用を開始した737−800。
 −400はJEXとJTAがすべて保有しているが、−800はJAL本体が保有し、運航している。JALの今後の小型機の主力として活躍していくことになる。
 ウィングレットを装備している。また、機内仕様が違うものの、国際線機材も登場する。
(写真:山口宇部空港/撮影:デューク)

 スカイネットアジア航空の737−400。
 737−500に比べて胴体が長くなっているのがわかる。
 スカイネットアジア航空の機体はカラフルな塗装が特徴で、非常に目立つ存在である。
 737−400は全日空グループでも使用されていたが、AirDoにリースされたため、現在は存在しない。
(写真:羽田空港/撮影:デューク)

 日本の格安航空会社第一号のスカイマークの737−800。
 737−700をさらにストレッチした機体で、羽田〜神戸線の主力として活躍中で、今後は同社が所有する767を順次この機体に更新していくようである。国内の短距離路線での使用が前提のため、ウィングレットは装備していない。
 また737−800は日本航空も導入し、国内線・国際線の共通機材として運用する。
(写真:羽田空港/撮影:デューク)

 AirDoにリースされた737−400。
 もともとはエアーニッポンの八丈島線に投入され、アイランドドルフィンの愛称で活躍したが、その後能登線に転用された経歴がある。
 現在では、旭川線と女満別線で使用している。また、日本航空グループでも使用されている。
(写真:羽田空港/撮影:デューク)

 日本にも多数飛来するコンチネンタル航空の737−800。
 主翼に装備されたウィングレットが特徴的である。スカイマークの機体と同じ機種となるが、主翼のウィングレットだけで随分と印象が異なる。
(写真:成田空港/撮影:デューク)

 山東航空の737−300。
 737としては初めて高バイパス比のエンジンを採用した機体。しかし、収容力を向上した−400や、航続距離を伸ばした−500に人気が集まり、影が薄い。
(写真:広州新白雲空港/撮影:ムスタファ)

 中国国際航空の737−300。
 日本にやってくる数少ない−300。
(写真:中部空港/撮影:デューク)

 マレーシア航空の737−400。
(写真:チャンギ空港/撮影:デューク)

 マレーシア航空の737−800新塗装。
(写真:バンコク・スワンナプーム空港/撮影:デューク)

 大韓航空の737−800。
 同社の−800にはウイングレットが装着されている。
(写真:福岡空港/撮影:デューク)

 大韓航空の737−900。
 2007年現在、737で最も大きいタイプなのが−900で、収容力は757−200に匹敵する。ただし、非常扉の数が少ないので実際には−800と変わらない。
 この機体は、長距離運用を考慮しないためか、ウィングレットはついていない。
 この機体レジはHL7724。平成19年早々秋田空港で誘導路に着陸するという荒業をやってのけた機体である(笑)。
(写真:福岡空港/撮影:デューク)

 チェジュエアの737−800。
(写真:関西空港/撮影:ムスタファ)

 ジンエアーの737−800。
 大韓航空のLCCとして各地に路線を展開している。
(写真:バンコク・スワンナプーム空港/撮影:デューク)

 中国東方航空の737−700。
 右の−500と長さも似ているが、ウィングレットが装着されているのが大きな違い。
(写真:関西空港/撮影:デューク)

 中国東方航空の737−300 。
(写真:広州白雲空港/撮影:デューク)

 アモイ航空の737−500。
 アモイ航空の737自体は関西空港でも見ることは可能。
(写真:桂林両江空港/撮影:デューク)

 中国国際航空の737−800。
 ウイングレットがなく、ぱっとみると−400と見分けがつきにくい。
(写真:桂林両江空港/撮影:デューク)

 中国南方航空の737−800。
 ウイングレットが着いている。
(写真:桂林両江空港/撮影:デューク)

 こちらも中国南方航空の737−800。
 隣の写真では装備されているウイングレットがないバージョン。しかもコックピットの窓の形状も異なっている点に注目。
(写真:広州白雲空港/撮影:デューク)

 金鹿航空の737−300。
 垂直尾翼の辺りが赤で、その前に黄色の塗装がされている。
(写真:広州白雲空港/撮影:デューク)

 長安航空の塗装。
 海南航空のグループ会社となっているため、垂直尾翼のデザイン等は海南航空と同じものを使用している。
(写真:広州白雲空港/撮影:デューク)

 深セン航空の737−700(センは土川)。
 現在塗装変更が進行中で、随分と垢抜けた塗装となった。
(写真:広州白雲空港/撮影:デューク)

 こちらは深セン航空の旧塗装。
 中国国際航空などの資本が入っているため、民航系の塗装を引き継いでいたのがよくわかる。。
(写真:広州白雲空港/撮影:デューク)

 海南航空の塗装。
 日本にも就航しているため、日本でも見ることができる。
(写真:広州白雲空港/撮影:デューク)

 ANAのモヒカン塗装の737−200。
 ANAはボーイング737−200を導入することでローカル線のジェット化を推し進めた。
(写真:福岡空港/撮影:鉄の鳥(禁転載))

 トリトンブルーの737−800。
 ANAに納入される737−800はJA51AN以外はトリトンブルーの塗装で納入されている。
(写真:羽田空港/撮影:デューク)

 ANAのスターアライアンス塗装。
 当初737−700として納入予定だったもののうち12機を737−800にチェンジしたANAだったが、その1号機はスターアライアンス塗装で登場した。
(写真:羽田空港/撮影:デューク)

 LOTポーランド航空の737−400。
 まさしくゴールドジェットと呼ぶにふさわしいいでたち。
(写真:ロンドン・ヒースロー空港/撮影:秩父路号)

 LOTポーランド航空の737−500。
(写真:ロンドン・ヒースロー空港/撮影:デューク)

 KLMオランダ航空の737−800。
(写真:ロンドン・ヒースロー空港/撮影:デューク)


 ルフトハンザドイツ航空の737−500。
 欧州域内ではA320シリーズとともに737が活躍中。
(写真:ロンドン・ヒースロー空港/撮影:デューク)


 スカンジナビア航空の737−700。
(写真:ロンドン・ヒースロー空港/撮影:デューク)

 トランスアエロ航空の737−800。
(写真:ロンドン・ヒースロー空港/撮影:デューク)

 オリンピック航空の737−400。
 かつて日本にも就航していたオリンピック航空。
(写真:ロンドン・ヒースロー空港/撮影:デューク)

 タロムルーマニア航空の737−300。
(写真:ロンドン・ヒースロー空港/撮影:デューク)

 エアアジアグループの737−300。
 運航はタイエアアジアの模様。
(写真:シンガポール・チャンギ空港/撮影:デューク)

 エアカナダの737−200。
 737の実質的な最初のモデルとして製造された−200は主翼下のエンジンが細長くなっている低バイパス比エンジンなのが特徴。
 大手系列の航空会社からほとんど姿を消したが、途上国の航空会社などではまだまだ使用されている。日本ではかつて全日空が使用していた。
(写真:ロサンゼルス空港/撮影:ムスタファ)

 ガルーダインドネシア航空の737−400。
(写真:チャンギ空港/撮影:デューク)