ボーイング767
     Boeing 767


かつてはタイトルは「全日空」となっていた767−300
(写真:那覇空港/撮影:デューク)

●基本データ・運転区間
登場年:1981年
(国内)使用航空会社:日本航空・全日空・AirDo・スカイマーク
(国内)就航路線:羽田〜富山・福岡・札幌等多数

●列車の解説
 1970年代より計画された双発の中型ジェット機で、機体に2本の通路を持つため、ワイドボディ機ともいえるが、実際にはそれまでのワイドボディ機に比べて細身の胴体を採用しており、セミワイドボディ機と呼んだ方が適切かもしれない。
 この機体は日本も開発に加わったため、次世代旅客機YXの一機種目となっている。
 小回りの利く中型機であることや、2−3−2という標準座席配置のため、窓側か通路側に着席できる確率が極めて高くゆったりした機内の雰囲気などが人気を集め、世界中の航空会社で使用されるようになった。
 標準タイプとなった767−200のほかに胴体をストレッチした−300や、さらにストレッチした−400があり、長距離型も開発されている。
 しかし、ライバルのエアバス社もエアバスA300で実績を上げたこの中型機の分野には力を入れていて、続々と新型機を投入した。そのため、1990年代後半より、767は守勢に立つようになり、販売実績も低迷することになった。
 その後、ボーイング社は767に代わる中型機として787の投入を決定したため、2008年までに767の生産は終了する予定である。もっとも、ここにきて再び新規発注が入るようになっており、予定通り生産が終了するかは定かではない。これは、787の発注が好調すぎ、すでに順番待ち状態であり、早く機材を調達したい航空会社などが787ではなく待ちの少ない767を発注したという事情もあるようだ。
 ちなみに兄弟機ともいえる767の狭幅機として757が存在する。操縦系統は共通となっている。
 日本でも全日空と日本航空が相次いで採用し、航空自由化によって登場したスカイマークやエア・ドゥも採用するなど、身近な機種であり、日本国内だけでのべ100機以上が導入された。

●ギャラリー

 全日空の標準塗装。最近胴体に描かれていた「全日空」という文字が順次「ANA」に変更されている。
 写真の機体は767−300。全日空は中型機として本機を大量導入したため、亜幹線レベルの路線では当たり前に見ることが出来るほか、ローカル線でも多客期には本機が運用される場合もある。もともと767−200が主体であったが、現在は767−300と航続距離延長型の767−300ERのみが在籍している。
(写真:那覇空港/撮影:デューク)

 オペレータ名の部分が「全日空」のままとなっている機体。
 ANAグループの国際線運行会社となっているエアジャパンの名前が見える。国際線用の機体は航続距離延長型の767−300ERである。また、国際線仕様のまま国内線で運航されることもしばしばあり、この場合、ビジネスクラス座席も普通席となり、お得な座席となっている。
(写真:羽田空港/撮影:デューク)

 ユニバーサルスタジオ・ジャパンのカラーを採用した全日空の767。
 ポケモンジェットなど全日空の主力機材らしく特別塗装のバリエーション歴は豊富である。
(写真:羽田空港/撮影:デューク)

 ポケモンカラーの767。
 これも全日空機。
(写真:山口宇部空港/撮影:こうちゃん様)


 今話題沸騰中の(笑)ANAのパンダジェット。2007年に登場し、しばらくは中国線を中心に活躍するようだ。
(写真:成田空港/撮影:ムスタファ)


 ANAの−300BCF。
 旅客機から改造機で、塗装が−300Fとは大きく異なっている。
(写真:成田空港/撮影:デューク)

 モヒカン塗装をまとった全日空の767。
 リバイバル塗装で、正規塗装として767でこの塗装をまとった機体はない。
(写真:羽田空港/撮影:デューク)

 日本航空の機体。日本航空は767−300の最初の発注者となっている。
 ただし、同じ規模の機体であるエアバスA300も存在しているため、イマイチ影の薄い存在となっている。
 日本エアシステムとの統合後、塗装変更が行われ、垂直尾翼は赤一色で塗られるようになった。
(写真:羽田空港/撮影:デューク)

 日本航空の旧塗装機。
 トレードマークであった垂直尾翼の鶴のマークが特徴であるが、この塗装で残っている機体もだいぶ数を減らしている。
(写真:羽田空港/撮影:デューク)

 日本航空の767−200。
 −200を大量購入した全日空に対して、日本航空は−300を主体に整備したが、3機だけ−200も導入した。国内ローカル線のほか、近距離国際線機材としても活躍していたが、現在では国内線で見ることはあまりなくなった。
(写真:北京首都空港/撮影:ムスタファ)

 日本航空のオリンピック/パラリンピック特別塗装。
(写真:新千歳空港/撮影:デューク)

 JALの767−300F。
 胴体に塗装を施さなかったこともあり、異彩を放っている。
(写真:成田空港/撮影:デューク)

 日本航空の−200の新塗装。
 3機しかいないこともあり、見ることも稀な機体となっており、羽田などで見かけることはあまりない。
(写真:羽田空港/撮影:デューク)

 日本の新規参入格安航空会社第一号スカイマークの機体。
 最近外装のリニューアルがすんだばかりだが、737−800の導入に伴い、順次退役し、2009年9月をもって全機退役。
 なお、スカイマークの767にはスーパーシートに当たるシグナスクラスが設定されているが、順次撤去されている。また、レキオス航空に納入されるはずだった機体などもあり、内装のバリエーションは豊富である。
(写真:福岡空港/撮影:デューク)

 北海道国際航空(AirDo)の−300。
 この機体は全日空からリースした機体で、−300ER型ではない。
(写真:羽田空港/撮影:デューク)

 北海道国際航空(AirDo)の機体。
 近〜中距離国際線の就航も目指していた同社は国際線の運航が可能な767−300ERを導入した。しかし、現在に至るまで一度たりとも国際線の運航についたことはない。
(写真:羽田空港/撮影:デューク)

 こちらは中国国際航空の767−300。
 比較的近距離の中国線などのうち、需要の比較的大きい路線では、積極的に767が投入されている。
(写真:成田空港/撮影:デューク)

 中国国際航空K767−200。
 日本に乗り入れてくる数少ない−200グループ。
(写真:関西空港/撮影:デューク)

 アシアナ航空の新塗装機材。
 だいぶ塗装変更も進んできているようだ。
(写真:仁川空港/撮影:デューク)

 アシアナ航空の−300ER。
 旧塗装の機体である。特別塗装機。
(写真:広州新白雲空港/撮影:デューク)

 コンチネンタル航空の−400ER。
 767としては最も大きい−400ERは、コンチネンタル航空を中心にデリバリーされたモデルで、主翼先端が777−300ERと同じデザインとなるなど改良が施されている。
 ただし、生産数は多くなく、40機に満たない程度のレアな機体である。日本ではコンチネンタル航空の成田〜グアム便で使用されている。
(写真:成田空港/撮影:デューク)

 エアカナダの−300ER。
 日本〜カナダ線は767−300ERの性能を目いっぱい活用している路線といえる。
(写真:関西空港/撮影:デューク)

 アエロフロートロシア航空の−300ER。
 日本にも767−300ERで就航していたが、A330に置き換えられた。
(写真:香港空港/撮影:デューク)

 上海航空の−300ER。
 日本にも羽田線でこの機種が就航している。
(写真:香港空港/撮影:デューク)

 ケニア航空の−300ER。
 アフリカの航空会社だが、中国の広州にも乗り入れている。この機体は−300ER型だが、非常口の設置方法がスカイマークの設置方法と同様になっている。
(写真:広州新白雲空港/撮影:デューク)

 エチオピア航空の−300ER。
 アジスアベバと香港を結ぶ路線はバンコクを経由している。
(写真:バンコク・スワンナプーム空港/撮影:デューク)

 デルタ航空の−400ER。
 大西洋路線の主力として活躍中。
(写真:ロンドン・ヒースロー空港/撮影:デューク)

 デルタ航空の−300ER。
 ノースウエスト航空との合併後、日本路線に投入されるようになっているようだ。
(写真:成田空港/撮影:デューク)

 デルタ航空の−300ER旧塗装。
 尾翼部分の旗がはためくような塗装となっているのが特徴。
(写真:成田空港/撮影:デューク)

 ブリティッシュエアウェイズの−300ER。
 エンジンは747と同じくロールスロイス製。
(写真:ロンドン・ヒースロー空港/撮影:デューク)

 アメリカン航空の−300ER。
 こちらも大西洋路線で使用されている。今後ウイングレットを装備する予定。
(写真:ロンドン・ヒースロー空港/撮影:デューク)

 ウズベキスタン航空の−300ER。
 日本にも767−300ERで就航している。
(写真:成田空港/撮影:デューク)

 カンタス航空の−300ER。
 日本線にも767−300ERで就航するときがある。
(写真:ホノルル国際空港/撮影:デューク)

 チャーター運航を担うビジネス・エアの−200ER。
(写真:ソウル・仁川空港/撮影:デューク)