登場年:1970年
(国内)使用航空会社:日本航空(退役済)
就航路線:成田〜シンガポール等
DC−10はダグラス社が機内に2本の通路をもつ中型のワイドボディー機として開発を始めたものであったが、途中でマクドネル社と合併したため、初飛行を行ったときにはマクドネル・ダグラス社となっていた。マクドネル・ダグラス社の機体はMDで始まっているが、DC−10はダグラス社の記号のままとなっていた。
本機は比較的大型の機体であったため、主翼のほかにも垂直尾翼の直下にもエンジンを搭載した3発機で当時のこのクラスの機体しては標準的な装備であった。
本機は中型機のマーケットで販売を開始したが、同じサイズの機体を開発したロッキード社のトライスターとの受注合戦は熾烈を極め、ロッキード社の政治家をも巻き込んだ贈収賄事件(日本のロッキード事件)によって、受注合戦はマクドネル・ダグラス社の勝利で終わったが、この受注合戦はマクドネル・ダグラス社の経営にも深刻な打撃を与えた。
1980年代に入ると新興のエアバス社のA300型が台頭してきた。このためDC−10の受注は大きく落ち込み、マクドネル・ダグラス社はDC−10を改良したMD−11の開発を行うことになり、DC−10は1989年で生産を終えた。
本機を採用した航空会社は多く、日本でも日本航空などが採用し、3発機であるため洋上での運航制限にもかからなかったため、国際線を中心に幅広く活躍したが、ボーイング777やエアバスA330・A340の登場によって徐々に活躍の場を減らし、日本では2005年に全機が退役。現在では旅客のほかに、貨物機としてアエロフロートやFedEx等で使用されている。
ちなみに、登場してしばらくしたころは連続して重大事故を起こしていて、一部ではあまり評判のよくない機体であった。