登場年:1950年
使用航空会社:全日空・東亜国内航空等
就航路線:羽田〜八丈島等
イギリスのデハビランド社が開発したローカル線向けの小型機で、小需要用のDH−104に対して多少需要のある路線向けの機材という位置づけであった。「ヘロン」という愛称を持っている。
小型機でありながら、当時のイギリスに適当なサイズのエンジンがなかったこともあり、4発機となっている。また、前脚部は強固(そう)なフェアリングが施されているため固定されており、ステアリング機能もついていない。飛行中はまるで象の鼻のように垂れ下がっていたこともあり、特徴的な外観を持った機体でもあった。
日本では最初に日本航空が購入したが、ローカル線の運航ができなくなったため、日本ヘリコプター輸送(現在の全日空)にリース(後に売却)された。また、別ルートで東亜航空(後の日本エアシステム→日本航空)や藤田航空(後に全日空に吸収合併)等も導入し、主に離島路線で活躍した。
国内で最後まで使用していたのは、東亜航空と日本国内航空が合併して誕生した東亜国内航空(後の日本エアシステム→日本航空)であり、昭和48年まで鹿児島からの離島路線で飛んでいた。なお、東亜航空の機材は性能の悪いエンジンを換装していたため、「タウロン」(東亜航空の3レターコード「TAW」と「ヘロン」をあわせたもの)という愛称が付けられていた。
なお、国内では一度だけ全損事故を起こしている。