登場年:1990年
(国内)使用航空会社:日本航空(退役済)
就航路線:成田〜香港等
1970年代からワイドボディー機の主力として活躍していたDC−10のタイムリミットが近づいていてきたため、後継機としてマクドネル・ダグラス社が開発したのがMD−11型である。基本的なデザインはDC−10と似ているが、主翼にはウィングレットがつくなど、近代的にデザインとなった。
DC−10の後継機ということで、DC−10を使用している航空会社に営業をかけたものの、同じ時期にはワイドボディー機の市場には多くの機種が出回るようになっている状態であり、途中で湾岸戦争の勃発などのマイナス要因も加わり、思うように受注が伸びなかった。さらに完成した機体が当初予定していた性能を発揮できないことが判明したため、キャンセルが相次いだ。結局200機程度の受注・販売をしたところで、マクドネル・ダグラス社の経営が深刻な状況となり、ボーイング社に吸収合併されることになった。本機はサイズがボーイング777と被っていたこともあり、2001年にそのまま生産終了となった。
現在では大半の機体が貨物機に改造されている。旅客機としてはボーイング777やエアバスA330等に押されたものの、貨物機としては、3基のエンジンなどによる強力な推力や、ワイドボディーの広いスペースによって好評なようである。
日本では日本航空がDC−10に続いて採用していたが、2004年にDC−10よりも早く退役してしまった。
DC−10に比べて主翼を小さくしたりしたため、操縦が難しくなったとの指摘があり、フェデックスのMD−11が成田空港で着陸に失敗するなど、1990年以降に就航した機材としては事故による全損の割合が比較的高くなっている。