特急【あいづ】


2016(平成28)年6月18日に団体臨時列車形式で運転された特急「あいづ」。485系国鉄色ラストランイベントの一環だった。
(写真:磐越西線 郡山駅/撮影:裏辺金好)

●基本データ

登場年:1968(昭和43)年
元運転区間:上野〜会津若松・喜多方 ※2005(平成17)年は新宿発で運転。
元使用車種:485系

●列車の解説

 磐越西線には特急「やまばと」の一部が乗り入れを行うようになっていたが、1968(昭和43)年に喜多方までの電化が完成すると、「やまばと」も電車化された。そして同年10月より列車名が「あいづ」となった。「あいづ」は会津地方と首都圏の都市間連絡を担っており、会津への観光というより、会津からの用務客をターゲットにしているダイヤ構成であった。

 上野から郡山まで東北本線を走るものの、郡山から会津若松までの距離が60kmほどしかなく、東北新幹線開業後も乗換え等の時間を考慮すると直通のメリットがあると判断され、上野直通形態のまま残され、JR時代を迎えた。

 JR化後は「つばさ」の直通列車とともに貴重な東北特急として活躍したが、「つばさ」が山形新幹線にコンバートされ、最後の上野直通の東北特急となった。しかし、485系も大きな改装も施されないまま使用されている状態で、陳腐化が著しく、また、上野直通形態をとっているため、どうしても1往復しか設定できず、会津方面への観光需要にこたえられないなど不都合が顕在化したため、平成5年に郡山で新幹線に接続するシャトル特急「ビバあいづ」となり、いったん消滅した。そして、これは東北特急の上野直通がなくなった瞬間でもあった。

 その後、どういうわけか2002(平成14)年になって「ビバあいづ」の専用車両を撤収させて一般の485系に置き換えが行われ、列車名が再び「あいづ」となった。しかし、この措置は長くは続かず、1年ほどで快速「あいづライナー」に格下げとなった。

 ところが、2005(平成17)年になり、会津デスティネーションキャンペーンが開催され、首都圏からの輸送を担う列車として再び485系特急「あいづ」が設定された。夏季の土日限定とはいえ首都圏と会津を直通する特急が復活したため、大きな話題となった。

 さらに、2006(平成18)年〜2011(平成23)年も「あいづ」が設定され、これらは上野発着としたため、まさに「あいづ」の復活といってよく、注目を集めた(※2006年については、平日は仙台発着の特急「仙台あいづ」)。 

 また、快速「あいづライナー」も継続的に運転されていたが、2015(平成27)年3月14日改正で車両の老朽化を理由として、ついに列車が廃止となった。しかし、同年4月〜6月の金曜日・土休日については、快速「あいづ」として485系国鉄色による運転が行われたたほか、2016年春のGWは快速「春の会津ふるさと号」として運転された。さらに、2016(平成28)年6月18日には特急「あいづ」が485系国鉄色ラストランの一環として、郡山〜会津若松間で1往復運転されている。

 485系引退後の動きとしては、2016(平成28)年8月12日〜16日は、583系で快速「あいづ」が臨時運転されている。さらに、2016年〜2017年の年末年始はキハ40形ジョイフルトレイン「リゾートみのり」を用いて運転される。

●走行シーン(動画)


(撮影:裏辺金好)

●ギャラリー(国鉄時代〜JR初期)


1970年代の特急「あいづ」。
(写真:東北本線 上野駅/撮影:照山様 禁転載)

1970年代の特急「あいづ」・・・といいたいところだが、なぜか勝田駅で休む「ひたち」がこんな状態に。
(写真:常磐線 勝田駅/撮影:照山様 禁転載)

ボンネット型のクロ481−3を先頭に。
(写真:東北本線 蒲須坂〜片岡/撮影:ひょん君)

東北新幹線開業直前の特急「あいづ」。
(写真:東北本線 上野駅/撮影:daikiti)

運転開始当初から1往復をかたくなに守り続け、L特急にも指定されなかったが、国鉄末期からは貴重な上野直通の東北特急として注目を集めていた。
(写真:鶯谷駅/撮影:haru様 禁転載)

JR発足当初の特急「あいづ」。
(写真:磐越西線 猪苗代〜川桁.駅/撮影:daikiti)

●ギャラリー(特急「ビバあいづ」時代)


山形新幹線400系にもイメージを似せた485系特急「ビバあいづ」。
(写真:磐越西線 郡山駅/撮影:裏辺金好)

●ギャラリー(新宿始発の臨時特急時代)


2005(平成17)年に運転されたときの「あいづ」。 「あいづライナー」として運転されていた編成をリニューアルの上投入されたもので、前面の印象が大きく変わっていたのが特徴だった。「あいづ」の運転を終了した後、この編成は再び改造工事が行われ、東武線との直通特急「日光」「きぬがわ」で使用された。
(写真:磐越西線 会津若松駅/撮影:デューク)

新宿始発で運転された特急「あいづ」。
(写真:湘南新宿ライン 池袋駅/撮影:裏辺金好)

方向幕。列車名が方向幕の大半を占拠している。
(撮影:裏辺金好)

●ギャラリー(上野始発の臨時特急時代)


上野駅で発車を待つ「あいづ」。リバイバル運転以外で上野発の東北特急が再び運転されることになるとは誰が予想しただろうか。
(写真:東北本線 上野駅/撮影:裏辺金好)

2009年に運転された特急「あいづ」。
(写真:東北本線 黒磯駅/撮影:裏辺金好)

2009年に運転された特急「あいづ」。郡山駅で583系快速「あいづライナー」と並ぶ。
(写真:東北本線 郡山駅/撮影:裏辺金好)

会津若松駅に到着した「あいづ」。ここで方向転換し、さらに喜多方を目指す。
(写真:磐越西線 会津若松駅/撮影:デューク)

方向幕(撮影:裏辺金好)

485系国鉄色ラストランイベント


(写真:磐越西線 川桁〜関都)

(写真:磐越西線 川桁〜関都)

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