特急【エルム】
「北斗星」を補完して運転される「エルム」。
(写真:赤羽駅/撮影:デューク)
●基本データ
登場年:1990(平成2)年運転区間:上野〜札幌
使用車種:24系
●列車の解説
1988(昭和63)年に青函トンネルが開通すると、上野から北海道まで直通する寝台特急「北斗星」が設定されるようになったが、当初B寝台のみで組成された列車も存在していた。その後、1989(平成元)年からは全列車個室・食堂車つきの編成となり、北海道への交通機関というよりも、北海道への観光の一環という印象が強くなっていた。一方、その「北斗星」も、夏休みなどはB寝台の予約もできないほどの人気となってしまい、多客期には増発を図ることにしたが、そのうち、北海道への移動手段としての利用客のためにオールB寝台の列車が設定されたが、これが「エルム」であった。ただし、「北斗星」のような個室も食堂車もなく、地味な存在と言えたが、毎シーズン運転されたため、多客期の常連列車として認知され、運転本数が少ないこともあり、むしろ鉄道ファンの注目の列車となっていった。
2006(平成18)年も運転されているが、北海道新幹線の工事の関係や、車両の老朽化などもあり、その後は運転されていない。ちなみに、「エルム」という特急列車自体は国鉄時代の1969(昭和44)年に北海道の函館と札幌を結ぶ気動車特急列車として登場している。この時は1年ほどで運転区間が完全に重複していた「北斗」に統合されている。
●ギャラリー
登場間もない頃の「エルム」。
(写真:東北本線 金谷川〜松川/撮影:daikiti)
2009年の尾久車両センター公開でのネタ。DD51国鉄色に「エルム」ヘッドマーク・・・。
(写真:尾久車両センター/撮影:裏辺金好)
EF81の95号機で運転された「エルム」。「エルム」はどういうわけか、いわゆるネタになる機関車が牽引することが多い(もともと設定日数が非常に少ないのもあるけど)。この機関車も「レインボー」カラーと呼ばれる塗装で注目されている。
(写真:東北本線 赤羽駅/撮影:裏辺金好)
赤羽駅を通過していく「エルム」。「北斗星」を補完する寝台特急ではあるが、食堂車などの設備は無く、オールB寝台であることもあり、列車の性格はまったくといってよいほど違う。
(写真:赤羽駅/撮影:裏辺金好)
上野駅で発車を待つ「エルム」。「エルム」は1シーズンあたりの運転日数が極めて少ないため、運転されると鉄道ファンが大挙押し寄せる。
(写真:上野駅/撮影:デューク)
「エルム」の方向幕。国鉄型車両で運転される優等列車の標準的なレイアウトになっている。
(写真:上野駅/撮影:デューク)