特急【いなほ】
特急「いなほ」で運用されるE653系は、3パターンの塗装が用意されている。
(写真:羽越本線 村上駅/撮影:裏辺金好)
●基本データ
登場年:1969(昭和44)年運転区間:新潟〜酒田・秋田 ※2010(平成22)年12月改正前までは青森発着も存在
元運転区間:上野〜秋田など
使用車種:E653系
元使用車種:485系
●列車の解説
JR東日本の特急列車で、1969(昭和44)年に特急「つばさ」がキハ181系化されたために余剰となったキハ80系を使用して運転を開始。 当初は上野と秋田を高崎線、上越線、羽越本線を経由して結ぶ列車であった。そして1972(昭和47)年には早くも485系が投入されて電車化され、その後は上越新幹線開業までに最大3往復となり、「とき」等とあわせてL特急となった。また1往復は「はつかり」の補完として青森にまで顔を出すようになった。そして上越新幹線開業と同時に新幹線接続特急となり、新潟発着に改められ、急行「きたぐに」等を吸収して7往復となった。この状態でJR化されるが、その後は新潟〜村上間のショート特急なども登場するなど、運転本数は上下したが、最近では減少傾向にある。特に羽田〜庄内間の航空便の登場などは、東京方面から鶴岡・酒田への連絡輸送をになっていた「いなほ」にも、少なからず影響を与えているようだ。
車両は電車化後一貫して485系が使用されており、リニューアルした3000番台などの姿も見ることができる。2001(平成13)年に特急「白鳥」(大阪〜青森)が廃止されると、その新潟〜青森間を引き継いだ。しかし、2010(平成22)年12月改正で、秋田〜青森間は特急「つがる」とされ系統分割され、現在は新潟〜秋田間が最長の運用である。
2013(平成25年)9月28日からは、「いなほ」の一部にE653系1000番台を投入。特急「フレッシュひたち」で使用していた車両を塗装変更、リニューアルを行った上で転用したもので、2014(平成26)年7月に全てを置き換えた。
なお、2005(平成17)年暮れの12月25日、砂越〜西余目間の築堤付近を高速走行していた「いなほ」14号がダウンバーストによって脱線するという事故が発生した。この事故で5名が死亡、多数の負傷者を出す惨事となった。
●485系
1970年代の485系特急「いなほ」。
(写真:京浜東北線 王子駅付近/撮影:札幌人様 禁転載)
国鉄時代、上野に直通していた頃の姿。日暮里駅にいる山手線103系の姿も懐かしい。
(写真:東北本線 上野駅付近/撮影:KIX様 禁転載)
485系1500番台(国鉄色)を先頭に走行する「いなほ」
(白新線 新発田〜西新発田/撮影:Zenigata)
(写真:羽越本線 新発田駅/撮影:裏辺金好)
(撮影:リン)
(写真:羽越本線 西袋〜余目/撮影:裏辺金好)
(写真:奥羽本線 青森駅/撮影:デューク)
485系3000番台による特急「いなほ」
(写真:奥羽本線 八郎潟〜鯉川/撮影:デューク)
485系3000番台による特急「いなほ」
(撮影:リン)
特急「いなほ」方向幕。(撮影:裏辺金好)
485系3000番台の特急「いなほ」愛称・行先表示。(撮影:裏辺金好)
●E653系
沿線の「ゆるキャラ」ステッカーが貼られた編成
(写真:白新線 新潟駅/撮影:裏辺金好)
(撮影:リン)
E653系「いなほ」トレインマーク
(撮影:裏辺金好)
2019(令和元)年10月1日から、特急「いなほ」の運転開始50周年を記念した特製のヘッドマークを、新潟車両センターのE653系1000番台U106編成(瑠璃色)とU107編成(ハマナス色)に掲出した。デザインは両編成、さらに先頭車の両端で異なる全4種類。まずはU106編成(瑠璃色)。
(写真:白新線 新潟駅/撮影:リン)
U107編成(ハマナス色)
(写真:白新線 新潟駅/撮影:リン)