特急【北近畿】


国鉄特急色にラインを1本加えた準国鉄色といえる状態で活躍した。
(写真:東海道本線 塚本駅/撮影:デューク)

●基本データ

登場年:1986(昭和61)年
運転区間:新大阪〜福知山・豊岡・城崎温泉
元使用車種:183系(旧485系)

●列車の解説

 1986(昭和61)年に福知山線と山陰本線福知山〜城崎間が電化された。これを期に特急「まつかぜ」と急行「だいせん」「丹波」といった列車を特急へと格上げすることになり、登場したのが「北近畿」であった。

 車両については、余剰気味になっていた485系を各地からかき集めての運転開始となった。東は勝田、西は南福岡とまさに全国各地からという状態であり、運転開始に際してとくに設備等の統一をはかるような作業は行わなかったため、車両によってカーテン等の設備が微妙に異なっていたケースや、シートのグレード等も違っていたため、車両の配置に苦労したという話もある。

 運転開始以後、山陰東部唯一の電車特急として活躍してきたが、1996(平成8)年に山陰本線園部〜綾部間の電化を期に運転体系が大きく変わり、ビッグXの愛称を持つことになった。もっとも、「北近畿」自体は大きく変わることはなかった。ただし、ヘッドマークはビッグX共通デザインのヘッドマークに変わった。

 「北近畿」は山陰東部の特急としては最も歴史ある列車として運転本数等は他を圧倒していて、ビッグXの主役として君臨していたが、2011(平成23)年3月改正で、一部列車に287系、さらに287系の数が揃うまでのつなぎとして381系国鉄色が投入されるのに合わせて、愛称を「こうのとり」に変更。北近畿としての活躍に終止符を打つことになった。

●ギャラリー


登場時のトレインマーク
(撮影:裏辺金好)

1996(平成8)年以降のトレインマーク
(撮影:裏辺金好)

 「北近畿」の行先方向幕。西日本標準の黒幕で、いわゆるビッグXの一員として愛称の部分に「北近畿」のヘッドマークの色である山吹色が配色されている。
(写真:大阪駅/撮影:裏辺金好)


新大阪から京都総合車両所へ回送される「北近畿」。先頭車改造車からの改造。485系から必要に応じて改造された関係で、先頭車の形状だけでも多彩な表情を誇っている。
(写真:東海道本線 山崎駅/撮影:デューク)

 山陰本線園部〜綾部間の電化を期に登場した西日本標準色車両。最大7両編成で運転される。朝の列車はダブルパンタ状態で運転されることが多い。
(写真:東海道本線 塚本駅/撮影:デューク)

こちらの先頭車は前面貫通型で、485系200番台からの改造。だが、ヘッドマークより上だけが接合してある。
(写真:東海道本線 塚本駅/撮影:裏辺金好)

こちらも485系200番台からの改造車だが、貫通扉は溶接されている。
(写真:東海道本線 塚本駅/撮影:裏辺金好)


2013年3月にリバイバル運転された「北近畿」。
(写真:福知山線 尼崎駅/撮影:裏辺金好)

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