特急【くろしお】


2012(平成24)年3月17日改正で誕生した287系による特急「くろしお」
(写真:大阪環状線 野田駅/撮影:リン)

●基本データ

登場年:1965(昭和40)年
運転区間:天王寺〜名古屋 → 京都・新大阪〜新宮
使用車種:283系、287系、289系
元使用車種:キハ80系、381系、485系

●列車の解説

 JR西日本が南紀方面へのアクセス列車として運転する特急。
 1965(昭和40)年3月に、キハ80系を使用して天王寺と名古屋を紀勢本線経由で結ぶ列車として登場したもので、キハ81形がその晩年をすごした列車としても注目を集めた。そして、1978(昭和53)年10月に紀勢本線が新宮まで電化開業すると、381系が投入されて、天王寺〜新宮の特急となった(新宮〜名古屋は、キハ80系特急「南紀」に分離)。

 その後、急行「きのくに」格上げなどで増発され、一時は車両不足分を485系でまかなっていたことも。
 さらにJR発足後、1989(平成元)年には新大阪始発列車の運転が可能になり、さらに381系をリニューアルし、パノラマグリーン車を連結した「スーパーくろしお」が登場。また、1996(平成8)年には283系を使用する「スーパーくろしおオーシャンアロー」も運転を開始した。

 1998(平成10)年には、「スーパーくろしおオーシャンアロー」が「オーシャンアロー」に愛称を短縮。さらに「くろしお」系統の全ての381系に対して、283系にイメージをあわせた塗装変更と内装リニューアルが実施しされ、「スーパーくろしお」と塗装は同一となり、原則として国鉄色は運用に入らなくなった。

 2012(平成24)年3月改正では287系が投入されて一部の381系が置き換えられるほか、「スーパーくろしお」「オーシャンアロー」の愛称が消滅し、再び「くろしお」一本体制に戻ることになった。この結果、283系も運用に加わっている。

 また、683系を改造した289系の登場によって、長らく活躍を続けてきた381系は、2015(平成25)年10月30日に定期運転を終了した。

●使用車両のバリエーション


同じくキハ80系特急「くろしお」。
(写真:阪和線 天王寺駅/撮影:ひょん君)

こちらはキハ82形を先頭にした、キハ80系特急「くろしお」。
(写真:阪和線 天王寺駅/撮影:ひょん君)

381系が投入された直後の「くろしお」。
(写真:阪和線 天王寺駅/撮影:ひょん君)

リニューアル後の381系特急「くろしお」。
(写真:阪和線 浅香駅/撮影:デューク)

2017年でJR西日本が発足30周年、アドベンチャーワールド(和歌山県西牟婁郡白浜町)が2018年で開園40周年を迎えたことをきっかけに登場したラッピング列車「パンダくろしお『Smileアドベンチャートレイン』」
(写真:大阪環状線 野田駅/撮影:裏辺金好)



381系置き換えのために登場した289系。元々は特急「しらさぎ」用683系を転用したもの。
(写真:大阪環状線 野田駅/撮影:リン)

●ギャラリー


キハ81形を先頭にしたキハ80系時代の「くろしお」。
(写真:阪和線 天王寺駅/撮影:札幌人様 禁転載)

同じくキハ81形を先頭にした、キハ80系特急「くろしお」。
(写真:阪和線 天王寺駅/撮影:照山様 禁転載)

キハ82形を先頭にした、キハ80系特急「くろしお」。
(写真:阪和線 天王寺駅/撮影:ひょん君)

国鉄色時代の381系「くろしお」。
(写真:東海道本線 新大阪駅/撮影:haru様 禁転載)

リニューアルされてイメージを一新した381系。
(写真:紀勢本線 和歌山駅/撮影:デューク)

名勝「千里浜」の脇を通過する381系特急「くろしお」
(写真:紀勢本線 南部〜岩代/撮影:裏辺金好)

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