特急【むろと】


徳島県だけを走る「むろと」。
(写真:徳島運転所/撮影:リン)

●基本データ

登場年:1999(平成11)年
運転区間:阿波池田・徳島〜牟岐〜海部 → 徳島〜牟岐〜海部 ※牟岐〜海部間は普通列車
使用車種:キハ185系

●列車の解説

 牟岐線の特急列車は当初「うずしお」が徳島から延長運転する形でカバーしていたが、平成10年にN2000系の登場で、運転系統にメスが入るきっかけを作っていた。高松〜徳島間の競争力を維持したいJR四国はN2000系の数がそろう1999(平成11)年に運転系統を徳島で分割することを決意した。

 この改正で「うずしお」の大部分はN2000系となったが、線路規格等に難があり、N2000系によるスピードアップ等の効果があまり期待できなかったため、「うずしお」は全列車徳島で打ち切りとし、牟岐線には新たな特急列車が設定された。これが「むろと」である。

 当初は、徳島〜牟岐間を中心に上下5本が設定され、一部は普通列車として阿佐海岸鉄道の甲浦駅にも乗り入れたが、僅か1年後の2000(平成12)年3月11日改正で3本に減らされ、さらに翌年3月3日改正で甲浦駅乗り入れを終了し、全列車が徳島〜海部間の運転に短縮。(牟岐〜海部間は普通列車)

 この状態のまましばらく運転されたが、徳島付近での通勤時間帯等での利用が見込める状況になったため、2006(平成18)年6月1日から、徳島〜阿南間に毎日運転の臨時列車として「むろと51〜54号」の2往復が設定。

 さらに2008(平成20)年3月15日改正で、阿南までの「むろと51〜54号」は「ホームエクスプレス阿南1〜4号」に改名されて独立。一方、2009(平成21)年3月14日改正で、阿波池田発、海部行き1本の特急「剣山」を特急「むろと」に変更し、徳島線内でも走行するようになった(牟岐〜海部間は普通列車)。

 他方、海部駅を始発とする阿波池田行きの特急は「剣山」の愛称が与えられていたため(海部〜牟岐は普通列車)、徳島線と牟岐線で「剣山」「むろと」が混在する状況となっていた。

 このため、徳島線から牟岐線への直通客が少ないことや列車体系の解りやすさの観点から、2014(平成24)年3月15日改正で両列車は徳島駅で系統分割。「むろと」は徳島駅始終点で牟岐線内、「剣山」は同様に徳島線内の特急として再編されている。

 2019(平成31)年3月16日改正では牟岐線の徳島〜阿南間のパターンダイヤ導入と引き換えに、特急「むろと」は大幅減便され、朝の上り1本と夜の下り1本となった。ホームエクスプレス阿南は廃止されている。

●ギャラリー


「むろと」のトレインマーク
(撮影:リン)

ほぼ国鉄色のキハ185−20を先頭した「むろと」。
(写真:牟岐線 徳島駅/撮影:デューク)

剣山色のキハ185−23を先頭した「むろと」。
(写真:牟岐線 徳島駅/撮影:デューク)

(写真:牟岐線 徳島駅/撮影:裏辺金好)

2007(平成19)年10月21日にリバイバル運転されたキハ58形・キハ65形急行「むろと」との並び。
(写真:牟岐線 牟岐駅/撮影:リン)

同じく、2007(平成19)年10月21日にリバイバル運転されたキハ58形・キハ65形急行「むろと」との並び。
(写真:牟岐線 桑野駅/撮影:リン)

徳島県内を回送中のキハ32形「鉄道ホビートレイン」との並び。
(写真:牟岐線 阿南駅/撮影:リン)

2014(平成26)年3月15日改正までは徳島線での運用もあった「むろと」。この日は近畿車輛のSmart BESTと並んだ。
(写真:徳島線 石井駅/撮影:リン)

「むろと」の方向幕。
(撮影:裏辺金好)

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