特急【成田エクスプレス】
特急「しおさい」との共通運用に向け、2023(令和5)年から塗装の一部変更が行われている。
(写真:横須賀線 横浜駅/撮影:裏辺金好)
●基本データ
登場年:1991(平成3)年運転区間:新宿・大船〜成田空港
使用車種:E259系
元使用車種:253系
●列車の解説
「エラーポート」の汚名を返上すべく、成田空港のターミナルに鉄道が直通することになったが、この際にJR東日本がエアポート特急として投入したのが253系の「成田エクスプレス」だった。そして分割併合を容易に行える機構を採用した253系によって、都心側で多様な起点を実現した。当初の段階でも新宿・池袋・横浜が設定され、これを元に次第に起点が増えていった。当初からおよそ朝夕は毎時2本、昼間は毎時1本の運転本数で、総武線系統の列車としては非常に本数が多い列車となった。利用客も急速に増えていき、運転開始当初は3両+3両がほとんどであったものが、あっという間に最大12両という長編成列車へと成長した。ただし、これは運転本数がなかなか増やせない事情なども絡んでいる。
2009(平成21)年10月改正からは、新型車両E259系が投入され、253系は2010(平成22)年6月末で引退した。京成電鉄が2010(平成22)年7月17日に開業させた成田空港への新路線「成田スカイアクセス」と新AE形に対抗すべく先手を打った形。2014(平成26)年7月26日からは、土休日に富士急行線の河口湖駅まで直通運転を開始している。
2019(平成31)年3月16日改正では、富士急行線への直通運転を終了。一部列車の新宿以西の運転は中央本線の高尾駅までとなったが、2021(令和3)年3月13日改正で八王子駅に短縮。さらに、2022(令和4)年3月12日改正では、新宿〜大宮間の運転を終了したほか、2024(令和6)年3月16日改正では新宿〜八王子間の運転も無くなるなど、運転区間の縮小傾向が相次いでいる。
●ギャラリー(E259系)
E259系登場当初の塗装。
(写真:総武本線 新小岩駅/撮影:裏辺金好)
富士急行線の河口湖駅へ直通し、新たな需要の創出に成功。
(写真:中央本線 大月駅/撮影:裏辺金好)
(写真:富士急行線 河口湖駅/撮影:裏辺金好)
●ギャラリー(253系)
成田空港へのアクセス特急として確固たる地位を確立した「成田エクスプレス」だったが・・・。
(写真:物井〜佐倉/撮影:デューク)
初冬の総武本線を行く「成田エクスプレス」。
(写真:物井〜佐倉/撮影:デューク)
12両編成で総武本線を快走する「成田エクスプレス」。日中でも12両編成の列車が存在するなど、かつての東北特急を髣髴させるような印象である。
(写真:総武本線 市川駅/撮影:デューク)
運転開始から少し経った頃の「成田エクスプレス」。横浜行きの列車は3両編成の列車が多い。15両が当たり前の区間なだけに3両だとさすがに短い。
(写真:横浜駅/撮影:デューク)
「成田エクスプレス」の方向幕。LED化された車両もある。
(写真1枚目撮影:裏辺金好、2枚目撮影:デューク)