特急【オホーツク】
現在はキハ283系による運転。3両編成は少々寂しい…。
(写真:函館本線 札幌駅/撮影:リン)
●基本データ
登場年:1972(昭和47)年運転区間:札幌〜網走
使用車種:キハ283系、キハ261系5000番台(臨時)
元使用車種:キハ80系、キハ183系
●列車の解説
「オホーツク」は日本で唯一、ロシア語に由来する愛称の列車で、元々は1959(昭和34)年9月22日改正で誕生した、旭川〜網走間の準急列車に始まる。翌年7月1日改正で札幌始発へ延長され、1961(昭和36)年10月1日改正で函館〜網走間の急行列車となった。しかし1964(昭和39)年10月1日改正で同列車が特急「おおとり」に格上げされ、急行「オホーツク」は札幌〜網走間の急行列車に。しかし、これも長く続かず1968(昭和43)年10月1日改正で、札幌始発の石北本線系統の急行が全て「大雪」に統合されたため、急行「オホーツク」は旭川〜遠軽〜興部(名寄)間で運転される列車となった。
現在の体制となったのは1947(昭和47)年10月2日改正のことで、札幌〜網走間でキハ80系による特急列車が誕生した際に「オホーツク」の愛称が転用された。青函連絡を考えない完全な北海道内の都市間輸送に徹したのが特徴で、登場からしばらくの間は1往復の時代が続くが、1981(昭和56)年10月1日に急行「大雪」を格上げして2往復に。
1977(昭和52)年10月7日からは全列車がキハ183系による運転となるが、1985(昭和60)年3月14日改正で急行「大雪」1往復を「オホーツク」に格上げして3往復体制となった際に、オホーツク2号・5号がキハ80系による運転となった。もっともこの措置は長くは続かず、1986(昭和61)年11月1日の国鉄最後のダイヤ改正であっさりキハ183系に置き換えられてしまった。
JR化後の1988(昭和63)年3月13日改正で、「おおとり」の札幌分割の際に札幌〜網走間が「オホーツク」に編入され、1992(平成4)年3月14日改正では夜行急行「大雪」が特急化・気動車化の上これまた「オホーツク」に編入された。
2006(平成18)年3月18日改正では、夜行となる1往復が冬季の臨時列車となり、定期列車は4往復体制に。臨時夜行は2008(平成20)年3月で廃止となったほか、2017(平成29)年3月4日改正では、4往復中2往復が旭川〜網走間に運転区間を短縮の上、特急「大雪」として独立した。
2023(令和5)年3月18日改正では、特急「大雪」とともに、特急「おおぞら」から転用されたキハ283系に置き換えが実施された。なお、グリーン車を連結しない3両編成に短縮されている。
●キハ283系
前面の愛称表示。旧デザインの特急「オホーツク」をベースにし、日本語とロシア語を切り替え。
(撮影:リン)
側面の愛称・行先表示はフルカラーLED。
(撮影:リン)
先頭側面には沿線自治体の名所などを描いたステッカーを掲出。
(撮影:リン)
●キハ80系
(写真:函館本線 札幌駅/撮影:ひょん君)
●キハ183系
キハ183系0番台による特急「オホーツク」。
(写真:函館本線 札幌駅/撮影:ひょん君)
(写真:函館本線 苗穂〜札幌/撮影:リン)
(写真:函館本線 苗穂〜札幌/撮影:リン)
札幌を出発し網走に向かう「オホーツク」。
(写真:千歳線 平和駅より/撮影:デューク)
網走に向かう「オホーツク」3号。旭川から遠軽に至る路線はなかなかの急勾配で、さすがのキハ183系でも結構苦戦するが、遠軽を過ぎると再び比較的平坦な路線を通る。ここまでの所要時間は4時間だが、網走まではまだあと1時間もかかる。長旅である。
(写真:留辺蘂駅/撮影:デューク)
キハ183系運転末期は0番台ではなく、500・1500番台及びその改造車が用いられていた。
(写真:函館本線 苗穂〜札幌/撮影:裏辺金好)
2022(令和4)年1月29日からイラスト入りの旧ヘッドマークを掲出。1984(昭和59)年に発売されたTVゲーム「北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ」(シナリオはドラクエでお馴染み堀井雄二)とのコラボ企画によるもの。
(写真:石北本線 網走駅/撮影:リン)
2023(令和5)年4月10日に運転された臨時特急「オホーツク」で、JR北海道のキハ183系一般車が終焉を迎えている。
(写真:函館本線 森林公園駅/撮影:リン)
一応寝台列車でもある「オホーツク」10号。わかりにくいかもしれないが、3号車は14系寝台客車である。気動車に客車を連結して営業に入るのは北海道ならではといえる。「大雪」のころから一定の寝台需要があったという証左でもあったが、乗車率の低下はいかんともしがたかったのか、2006(平成18)年のダイヤ改正で冬季のみの運転に改められた。
(写真:札幌駅/撮影:デューク)
「オホーツク」の行先方向幕。方向幕のタイプはJR北海道の特急の標準的な方向幕だ。「オホーツク」に限ったことではないのだが、北海道の特急は行先に関しては愛称ごとに例外がないのが特徴だ。わかりやすいことはわかりやすいが、行先がどこか・・・という楽しみはない・・・。
(写真:網走駅/撮影:デューク)