特急【宇和海】


予讃線の末端区間を高頻度輸送する「宇和海」
(写真:予讃線 伊予吉田駅/撮影:リン)

●基本データ

登場年:平成2年(1990年)
運転区間:松山⇔宇和島
使用車種:キハ181系・キハ185系・2000系

●列車の解説

 JR化前後の時期に予讃本線(JR化後は予讃線)の優等列車は特急を軸にしたものに変化しつつあり、高松〜松山間に関してはほとんどの列車が「しおかぜ」となっていた。ところが、松山〜宇和島間は特急列車の本数は増えてはいたものの、まだまだ急行「うわじま」の勢力が有力であった。昭和63年の瀬戸大橋の開通後も大きな変化はなかった。

 しかし、「うわじま」に使用していたキハ58系もサービスレベルで見劣りがするようになり、宇和島方面への特急網整備も急務となった。そのため、平成2年11月に「うわじま」を全面的に特急へと格上げしたが、この際に登場したのが「宇和海」であった。登場当初は「うわじま」の特急化ということで、同数の4往復での運転となり、キハ185系を中心にキハ181系も使用された。その後、2000系の登場で全面的に置き換えられている。

 「宇和海」にとって大きな転機となったのは1993(平成5)年のことで、岡山・高松からの電化区間がついに松山までつながり、「しおかぜ」「いしづち」の大半が電車化され、特急列車は一部を除いて松山で運転系統が分離された。そのため、「宇和海」は「しおかぜ」「いしづち」の松山〜宇和島間を引き継ぐ形で大幅に増発された。現在では、「しおかぜ/いしづち」と松山で接続し、ほぼ1時間ヘッドで運転されている。

 なお、「宇和海」の定期列車としての登場は平成2年11月であったが、1990(平成2)年の夏に臨時列車として先行登場している。

●ギャラリー



松山駅に停車中の「宇和海」。「しおかぜ/いしづち」とは同じホームで乗り換えられるようになっている。また、末端区間の特急ではあるが、3〜4両編成で運転されているのは、さすが予讃線の特急であるといったところか。
(写真:予讃線 松山駅/撮影:裏辺金好)


アンパンマン列車による「宇和海」。
(写真:予讃線 松山駅/撮影:裏辺金好)

(写真:予讃線 市坪〜北伊予/撮影:デューク)

(写真:鳥ノ木〜伊予市/撮影:デューク)


アンパンマン塗装の2000系も使用される「宇和海」。
(撮影:リン)

2000系試作車「TSE」の貫通タイプを先頭に松山をめざす。
(写真:鳥ノ木〜伊予市/撮影:デューク)

 こちらは非貫通タイプの車両が使用される列車。さながら2000系の見本市といったところか。
(写真:予讃線 伊予吉田駅/撮影:リン)

 「宇和海」の行先表示器。2000系はLEDによる表示機を採用しており、列車名と行先が交互に表示される。行き先を撮影したつもりだったが列車名だったようだ。「島」と「海」の違いだけだし・・・。
(写真:伊予市駅/撮影:デューク)    

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