特急【ゆふDX】
赤い塗装で由布院に帰ってきたキハ183系1000番台だったが、活躍は短かった。
(写真:鹿児島本線 水城駅/撮影:デューク)
●基本データ
登場年:平成16年(2004年)運転区間:博多〜大分・別府
使用車種:キハ183系
●列車の解説
2004(平成16)年に九州新幹線が部分開通したが、これにあわせて大規模なダイヤ改正が実施された。このダイヤ改正で新幹線とは直接関係ないはずだった久大本線ではあったが、「九州横断特急」「くまがわ」の登場などでキハ185系の運用が増えた結果、予備車の関係などで「ゆふ」の運転本数を維持するのが厳しい状況になることが予想されていた。このため、「シーボルト」として大村線で使用されていたキハ183系1000番台に白羽の矢が立った。「シーボルト」で使用される前は「ゆふいんの森」として使用されていたため、久大本線の特急に復帰する形となった。
このキハ183系を使用した列車が「ゆふDX」で、「古代漆色」をまとっての登場となった。ちなみにこの車両にとってはこの塗装が4種類目の塗装となっている。さらに2008(平成20)年には山吹色に塗装変更され、5種類目の塗装が誕生した。
キハ183系は1編成4両しかなく、1日の運転本数は1.5往復となり、キハ185系を使用する「ゆふ」1.5往復とあわせて3往復となったが、2日で3往復を消化する運用となっているため、日によってやってくる列車が変わるという状況になっている。これは「ゆふ」の1運用をそっくり置き換えたために発生した状況である。また、交番検査などの時にはキハ185系で代走され「ゆふ」となる。
この列車の登場で久大本線の特急列車は、運用に入る4本の編成全てがまったく系列の違う車両という多彩な顔ぶれを誇る線区となった・・・が、2011(平成23)年1月10日に「ゆふDX」は運用から撤退。キハ183系1000番台は、今度は豊肥本線の特急「あそぼーい!」として転用されていった。
●ギャラリー
2008年の定期検査時に車体色を「古代漆色」から山吹色に変更し、補助灯を増設。
(写真:鹿児島本線 竹下駅/撮影:AC20kV-DC1500V)
(写真:久大本線 大分駅/撮影:裏辺金好)
夕方の二日市駅に到着する「ゆふDX」。
展望車を連結するなどキハ185系に比べてリゾート色の強い車両となっている。前面のデザインはさすがにインパクトがある。
(写真:二日市駅/撮影:デューク)
「ゆふDX」の方向幕。黒幕であり、国鉄タイプのものとは違っている。JR化後に登場した車両だが北海道のキハ183系の設計を流用しているだけに、席種別などを記載するスペースは無かったか。
(写真:二日市駅/撮影:デューク)