快速【富士山】【ホリデー快速富士山】


E257系500番台によるホリデー快速富士山。189系時代と異なり、愛称表示は行わない。
(写真:中央本線 新宿駅/撮影:裏辺金好)

●基本データ

登場年:2013(平成25)年
運転区間:新宿〜河口湖 (小山〜大宮〜河口湖間の運転実績もあり)
使用車種:E257系
元使用車種:183系、189系

●列車の解説

 富士山の世界遺産登録を記念し、富士急行直通のアクセス列車としてのPRを行うために、従来の「ホリデー快速河口湖」を改称して誕生した、土休日を中心に運転される快速列車で、基本的には新宿〜河口湖間での運転。金曜日には快速「富士山」として運転されることもある。また、多客期には東北本線の小山駅を発着し、武蔵野線・中央本線経由の列車が増発されたこともあった。

 運転開始当初、新宿始発の列車は従来どおり豊田車両センターの189系あずさ色を使用したが、小山始発の列車は幕張車両センターの183系あずさ色を使用する(従来は大宮車両センターの183系・189系国鉄色)。

 なお、都心部から富士急行へ直通する運用としては、国鉄時代から存在しており、古くはキハ58系の急行列車(富士急行所有)が富士急行まで乗り入れたりしていた。

 その後、165系が運用されるようになると急行「かわぐち」が中央本線系統の急行列車に併結されて新宿から乗り入れていた。この列車は富士急行線内は快速列車という変り種だったが、国鉄最後のダイヤ改正が行われた1986(昭和61)年に廃止となってしまった。

 しかし、河口湖方面への週末などの観光需要は一定数存在していたのも事実で、週末の臨時列車として、新宿から165系による「「ホリデー快速ピクニック号」が運行を開始(晩年は「ぶらり河口湖号」)。1989(平成元)年には大宮〜河口湖で185系による快速「ホリデーむさしの」、続いて翌年からは同区間で167系による快速「ホリデー快速むさしの」が臨時で運行されるようになった。

 さらに、2001(平成13)年に169系による快速「新幹線リレー号」(八王子〜大宮)を、快速「むさしの」としたことに伴い、大宮〜河口湖の列車名を変更した際に「ホリデー快速河口湖」の愛称が誕生。2003(平成15)年には183系、189系化され、さらに2004(平成16)年からは新宿発の列車も「ホリデー快速河口湖」に愛称を統合し、新宿発の列車をメインに大宮発の列車を多客期に運転する運転形態となっている。

 さらに2012(平成24)年7月1日からは、大宮発着のホリデー快速河口湖3号・4号が、小山発着に延長され、ホリデー快速河口湖5号・6号となった。そして、2013(平成25)年7月6日運転分より、富士山の世界遺産登録を記念して、全列車が「ホリデー快速富士山」に改称された。

 2016(平成28)年7月1日から毎週金曜日に快速「富士山」の運行を開始。また、2018(平成30)年3月17日からは、189系引退に伴い「ホリデー快速富士山」・快速「富士山」ともにE257系500番台での運転となった。

 2019(平成31)年3月16日改正では特急列車に格上げされ、特急「富士回遊」となった。

●E257系500番台


(写真:富士急行線 富士山駅/撮影:裏辺金好)

(写真:中央本線 大月駅/撮影:裏辺金好)

(撮影:裏辺金好)

●183系・189系


ホリデー快速河口湖1号・2号は、豊田車両センター所属の189系旧あずさ色を使用した。
(写真:中央本線 豊田駅/撮影:裏辺金好)

ホリデー快速河口湖3号・4号は、幕張車両センター所属の189系旧あずさ色を使用していた。近年は新宿または千葉発着の快速「山梨富士」として運転され、豊田車両センターの189系、のち幕張車両センターのE257系で運転されている。
(写真:中央本線 豊田駅/撮影:裏辺金好)

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