快速【ムーンライトながら】


運転末期はJR東日本の185系で運行された快速「ムーンライトながら」。
(写真:東海道本線 名古屋駅/撮影:ネオン)

●基本データ

登場年:1996(平成8)年
運転区間:東京〜大垣
使用車種:185系
元使用車種:183系・189系、373系

●列車の解説

 1968(昭和43)年10月より、165系などの急行型電車で運転されてきた通称”大垣夜行”の大幅なサービス改善を狙い、愛称を与えられた上で1996(平成8)年3月改正で登場した列車。JR東海の特急車両373系を使用し、同系列でも最大の編成となる9両編成で運用される。

 下りの大垣行きは豊橋まで、上りの東京行きは全区間がそれぞれ全車指定席となっている(*2007年3月改正までは、下りの大垣行きは小田原まで、上りの東京行きは熱海まで全車指定席で、そこからは一部自由席だった)。なお、下りのムーンライトながらは、豊橋から始発列車の役割も負い、同駅からは全車自由席となる。また、名古屋では3両が分割されホームライナー豊橋、そして特急「伊那路」の運用に就くことになる。上りは全区間で9両編成で運転されている。

 2007(平成19)年3月改正から、上りムーンライトながらの東京駅の到着時刻が変更。それまでの上りの4時42分から、5時5分となり、さすがに早すぎる到着時刻の修正が行われた。

 ちなみに、快速列車であるため、新幹線や寝台列車よりも料金が安く、もちろん青春18切符でも乗車可能。そのため特に多客期には切符が入手困難になるほど人気が高く、多客期にはJR東日本の183系・189系特急型電車による「ムーンライトながら91号・92号」が増発運転されるほどだった。

 しかしながら、全国的な夜行列車削減の波は「ムーンライトながら」にまで及び、2009(平成21)年3月改正で、JR東日本の183系・189系を使用する臨時列車化が行われた。さらに2013(平成25)年冬季の臨時運転(12月20日〜)から従来の大宮総合車両センター所属の185系10両編成での運転に変更。近年の運転日は少なく、2020(令和2)年3月20日〜28日の運転を最後に設定されず、2021(令和3)年3月13日改正で正式に廃止された。

○185系


湘南ブロック塗装の185系による「ムーンライトながら」。
(写真:東海道本線 東京駅/撮影:裏辺金好)

185系の方向幕。前面の愛称表示は「臨時快速」と素っ気ないが、側面は列車名を表示している。
(撮影:裏辺金好)

○373系


373系時代、下り列車は名古屋駅で後部の3両を切り離す運用だった。
(写真:東海道本線 名古屋駅/撮影:裏辺金好)

もはや寝台や座席、特急や快速問わず夜行列車削減の波は止められないのか?
(写真:東海道本線 静岡駅/撮影:リン)

大垣行き373系「ムーンライトながら」方向幕。
(撮影:裏辺金好)

名古屋止まりの373系「ムーンライトながら」方向幕。
(撮影:裏辺金好)

○183・189系


(写真:東海道本線 大垣駅/撮影:リン)

(写真:東海道本線 大垣駅/撮影:ひょん君)


(写真:東海道本線 名古屋駅/撮影:リン)

(写真:東海道本線 東京駅/撮影:ひょん君)

189系「ムーンライトながら」方向幕。国鉄風のデザインだが、列車名が斜字体とされている。
(撮影:リン)

○165系・167系(大垣夜行)


165系を使用した大垣夜行時代の姿。
(写真:東海道本線 大垣駅/撮影:daikiti)


167系による大垣夜行
(写真:東海道本線 品川駅/撮影:はっしー ※禁転載)

列車は大混雑状態。
(写真:東海道本線 品川駅/撮影:はっしー ※禁転載)


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