快速【とっとりライナー】
●基本データ
登場年:1994(平成6)年使用車種:キハ121・126系(平成15年〜)
元使用車種:キハ58系(〜平成15年)
主な運転区間:鳥取⇔米子・境港・西出雲
●列車の解説
鳥取県の両端に位置する大都市鳥取と米子を結ぶ快速列車。ルーツをたどると国鉄時代から運転されている快速列車が前身。国鉄末期、鳥取県で「わかとり国体」が開催されたのを機に非公式な愛称ではあったが、鳥取県内の山陰本線を走る快速列車に「わかとりライナー」の愛称がつき、ヘッドマークも用意された。その状態でJR時代に入ることになる。
その後、智頭急行が開通した際に、速達列車に「とっとりライナー」の愛称が正式につけられた。その際には倉吉から米子までののうち、浦安・赤碕という特急も停車していた駅を通過する列車も設定されたことがある。
しかし、次第に利用客が増え、停車駅の増加、増発が繰り返され、山陰線高速化直前の段階で8往復が運転されるにいたる。
「わかとりライナー」の頃からキハ58系が使用され、急行ではなかったものの、キハ58系の本来の任務である都市間高速輸送という使命を果たしてきた列車となった。
列車の転機は平成15年の山陰線鳥取地区高速化完成で、これに合わせて全列車が新鋭キハ121・126系に置き換えられた。
この改正では、鳥取⇔米子を結ぶ特急が大増発されたこともあり、「とっとりライナー」は1往復が削減された。
その後、平成16年の秋のダイヤ改正で、急行「だいせん」が廃止された際に米子〜鳥取間にほぼ急行と同じスジで1往復が増発されている。
●乗車時の感想(byデューク)
全体的な印象として、とにかく、速い列車だったことを今でも覚えている。キハ58系がフルノッチで走れる列車はそうはなかったからすごく印象的だった。以前乗ったときは、まだ高速化の「こ」の字もない頃で、駅に近づくたびに減速していた。線路の状態があまりよくないため、よくゆれたことも覚えている。
平成15年の夏に乗車したときはほぼ高速化が終了していたため、キハ58系でも十分に任務が果たせるのではないかと思わせるほど、すばらしい走りを見せてくれた。
その後12月にも乗る機会があったが、この時はすでに高速化が完成し、キハ126系が運用についていた。最高速度はあまり変わらないのだが、加速が違っていた。なるほど・・・キハ58系の出る幕はない・・・そう感じた。
特急が増えたとはいえ、鳥取県内の都市間輸送の一翼を確かに担っている列車である。
ギャラリー
サボ。正確には「とっとりライナー」の愛称がつく前のものだ。キハ58系の「とっとりライナー」の末期はサボを使用していなかったので、このサボは貴重な記録となった。
鳥取にて。
置き換え直前の平成15年夏、山陰本線で最後の活躍をするキハ58系「とっとりライナー」。
すでに大部分が高速化対応の状態のため、キハ58系も全速で駅を通過して行っていた。置き換えを前に最後の輝きを放っていたように思えた。
由良にて。
まだ「とっとりライナー」の愛称が着く前の頃の一こま。
「わかとりライナー」のヘッドマークが付いていた。この頃は快速列車のバラエティーが最も豊かだった頃で、特急「おき」などのキハ181系や「あさしお」のキハ181系なども運用に入りっていた。また、急行「砂丘」編成が延長運転することもあった。
運転区間も東は豊岡、西は益田や長門市まで足を伸ばす列車もあった。
鳥取にて。
キハ181系の快速。
主に「おき」の間合いで使用されていた。この形式を使用する列車は城崎まで足を伸ばしており、城崎で「北近畿」に接続していた。
あと、「おき」で米子到着後、そのまま鳥取行きの快速となった時代もある。
鳥取にて。
キハ126系にて運転されている現在の姿。
ほとんど電車並みの性能を誇るキハ126系に全面的に置き換えられたのが平成15年10月のダイヤ改正で、全列車が126系系列の車両で運転されている。
最速は鳥取〜米子間を78分で走破し、ダイヤ改正前の特急並みである。
伯耆大山〜東山公園間にて。
雪の舞う米子駅で発車を待つキハ126系「とっとりライナー」
平成16年以降「とっとりライナー」の停車駅は再び増加傾向にある。
米子にて。