新幹線【こだま】


山陽新幹線の「こだま」は500系と700系7000番台が主力となった。
(写真:山陽新幹線 福山駅/撮影:裏辺金好)

●基本データ

登場年:1964(昭和39)年
運転区間:東京〜新大阪、新大阪〜博多など
使用車種:500系、700系、N700系
元使用車種:100系、300系、

●列車の解説

 JR東海、JR西日本が東海道・山陽新幹線で運転する各駅停車タイプの新幹線列車の総称。
 1964(昭和39)年東海道新幹線開業時に「ひかり」と共に運転を開始したもので、開業時は東京、新大阪それぞれ毎時30分発を「こだま」、毎時00分発を「ひかり」とする毎時各1本ずつの「1−1ダイヤ」とし、「こだま」の東京〜新大阪における所要時間は約5時間だった。また、開業時の「こだま」の運転本数は東京〜新大阪が12往復、東京〜静岡、東京〜名古屋、静岡〜新大阪、名古屋〜新大阪が各1往復ずつで、当初は全車座席指定制だった。

 1965(昭和40)年11月1日改正では、東海道新幹線における施設面の安全性が確立したと判断され、「こだま」は「ひかり」と共に所要時間を大幅に短縮し、東京〜新大阪で約4時間の運転となった。

 1972(昭和47)年3月改正で山陽新幹線が岡山まで開業し、さらに1975(昭和50)年3月改正で博多まで開業すると、「こだま」も活躍の場を西に広げた。しかし、「こだま」の輸送量は東海道新幹線と山陽新幹線で異なり、国鉄最後のダイヤ改正である1986(昭和61)年11月改正では、広島〜博多などで6両編成による「こだま」が本格的に運転を開始。

 次第に東海道新幹線と山陽新幹線で「こだま」の運用を分割するようになり、現在では東海道新幹線と山陽新幹線を直通する「こだま」は存在せず、山陽新幹線では4両編成の「こだま」も多数活躍した(現在は存在していない)。

 使用車両は、開業から長らく0系が使用されてきたが、東海道新幹線からは1999(平成11)年9月18日に引退。さらに2003(平成15)年10月1日改正で100系も運用を離脱し、主に300系と700系での運用となった。一方、JR西日本では0系、100系ともに2002(平成14)年からリニューアル工事を進めて活躍させてきたが、2008(平成20)年11月30日をもって0系は定期運用から離脱。代わって8両編成に短縮した500系が新たな仲間に加わっている。

 さらに2011(平成23)年3月12日のダイヤ改正では、九州新幹線開業に伴い「ひかりレールスター」運用の減った700系7000番台が、本格的に「こだま」運用に投入されるようになり、100系を駆逐。さらにJR東海、JR西日本共に300系の引退を進め、両系列とも2012(平成24)年3月改正で運用を終了した。

●N700系こだま


(写真:東海道新幹線 小田原駅/撮影:裏辺金好)

山陽・九州新幹線直通用のN700系による「こだま」
(写真:山陽新幹線 新下関駅/撮影:裏辺金好)

N700系の列車名・行先表示 (撮影:裏辺金好)

山陽・九州新幹線直通用のN700系の列車名・行先表示 (撮影:裏辺金好)

●700系


(写真:東海道新幹線 小田原駅/撮影:裏辺金好)

700系レールスター車両も、現在は「こだま」運用が主な任務。
(写真:山陽新幹線 新下関駅/撮影:裏辺金好)


700系「レールスター」車両による列車名・行先表示 (撮影:裏辺金好)

●500系こだま


(写真:山陽新幹線 相生〜岡山/撮影:リン)

●300系こだま


(写真:東海道新幹線 小田原駅/撮影:裏辺金好)

(写真:東海道新幹線 小田原駅/撮影:裏辺金好)

●100系こだま


 JR東海の100系「こだま」は16両編成で活躍していた。
(写真:東海道新幹線 東京駅/撮影:裏辺金好)

100系「こだま」(新塗装)の脇をドクターイエローが追い抜いていく。
(写真:山陽新幹線 福山駅/撮影:リン)


2010(平成22)年に国鉄色に復元された100系による「こだま」。
(写真:山陽新幹線 新倉敷〜岡山/撮影:裏辺金好)

山陽新幹線の100系新塗装による「こだま」。
(写真:山陽新幹線 徳山駅/撮影:裏辺金好)

 JR東海の100系「こだま」行先方向幕。
(撮影:裏辺金好)

●0系こだま


 0系旧塗装によるJR西日本の「こだま」。
(写真:山陽新幹線 岡山駅/撮影:裏辺金好)

山陽新幹線0系「こだま」。運行末期は100系と共に新塗装に変更されていた。
(写真:山陽新幹線 三原駅/撮影:裏辺金好)

引退を前に開業時に塗装に復元された山陽新幹線の0系。こちらは0系定期運転最終日の模様。
(写真:山陽新幹線 東広島駅/撮影:リン)

(写真:山陽新幹線 広島駅/撮影:裏辺金好)

(写真:山陽新幹線 広島駅/撮影:裏辺金好)

(写真:山陽新幹線 新下関駅/撮影:裏辺金好)

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