新幹線【つばめ】

 
派手な特急列車が多いJR九州だが、885系特急「かもめ」同様の白い車体で登場した。
(写真:九州新幹線 熊本駅/撮影:裏辺金好)

●基本データ

登場年:2004(平成16)年
運転区間:新八代〜鹿児島中央 → 博多〜熊本・鹿児島中央など
使用車種:800系、N700系

●列車の解説

 JR九州が九州新幹線で運転する列車で、在来線時代からの伝統の名前を引き継いで誕生。
 2004(平成16)年3月の九州新幹線(新八代〜鹿児島中央間)の開業と共に運転を開始し、2011(平成23)年3月からは九州新幹線全通に伴い、博多〜熊本、または博多〜鹿児島中央などで運転されている。

 なお、九州新幹線全通前と全通後で列車の性格を大きく変えている。
 全通前は、新八代駅では在来線の787系特急「リレーつばめ」と同一ホームで接続し、博多〜鹿児島中央を最速で約2時間10分で結ぶ(新八代〜鹿児島中央間は最速35分)列車であったが、全通後は各駅停車タイプの列車となり、多くの列車が博多〜熊本間の列車となった。これに伴い、鹿児島中央駅で「つばめ」の愛称を見る機会は大幅に減少している。

 使用車両は全通前は800系のみであったが、全通後は「みずほ」「さくら」同様のN700系も運用に加わっている。

 なお、愛称名の「つばめ」は1930(昭和5)年に東京〜神戸で運転を開始した特急「燕」が初出。戦後は1950(昭和25)年に東京〜大阪の特急「つばめ」として復活し(「へいわ」を改称)、東海道本線が全線電化されると、電気機関車EF58による牽引となってスピードアップ。さらに1960(昭和35)年には151系特急型電車が投入され、東京〜大阪を6時間30分で運転するようになった。

 そして東海道新幹線が開業した1964(昭和39)年から、運転区間を新大阪〜博多に移して九州とのつながりが出来た。さらに、1965(昭和40)年に481系(のち485系)特急型電車、1968(昭和43)年に583系特急型電車も投入され、山陽本線の看板列車として活躍。山陽新幹線岡山開業時には、運転区間を岡山〜西鹿児島(現、鹿児島中央)となり、より一層九州との縁が深くなった。しかし、山陽新幹線博多開業に伴い廃止され、長らく愛称は消えたままだった。

 転機となったのは1992(平成4)年で、特急「有明」のうち、博多〜西鹿児島の列車に新型車両787系を導入。これに併せて列車名に「つばめ」が抜擢されることになり、伝統の列車名が復活。そして2004(平成16)年に新八代〜鹿児島中央にて開業した九州新幹線へ愛称が移行した。

 なお、九州新幹線全通前は、新八代駅で接続する特急「リレーつばめ」と一体的に案内され、既に博多〜鹿児島中央を通しで運転する列車のごとく案内されているのが特徴であった。

 また、開業時から使用される800系は、もちろんJR九州が初めて投入した新幹線車両で、内装は日本の伝統美をイメージして、木製のシートやクスノキ製仕切り壁、デッキは柿渋(かきしぶ)色の壁に、ドアは古代漆(うるし)色でデザインするなど、きわめて特徴的なデザインとなっている。

●ギャラリー


九州新幹線全通後はN700系も使用されている。
(写真:九州新幹線 鹿児島中央駅/撮影:裏辺金好)

九州新幹線全通を前に消された「つばめ」ロゴマーク。
(写真:九州新幹線 鹿児島中央駅/撮影:裏辺金好)

こちらも九州新幹線全通を前に消された「つばめ」ロゴマーク。
(写真:九州新幹線 鹿児島中央駅/撮影:裏辺金好)

N700系による行き先表示。
(写真:九州新幹線 鹿児島中央駅/撮影:裏辺金好)

全通前は新八代駅では同一ホームで在来線特急「リレーつばめ」と乗り換えが行われていた。
(写真:九州新幹線 新八代駅/撮影:裏辺金好) <

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