2008年8月23日〜9月4日 総移動距離8000km!東北・北海道の旅
〇9月2〜3日
翌朝。今日はようやく良い天気になりそうです。ホームからはニセコアンヌプリが見えます。この「駅の宿ひらふ」は、旅好きのみならず周辺の山への登山・スキー客の利用も多いとのことでした。
駅猫のしま太郎。5年前に迷い込んで以来、待合室で飼われています。人なつっこいというよりは警戒心ゼロのようで、仰向けになって寝ることも…。お腹を撫でられても肉球を触られても起き上がる気配が無いのは流石です。
〇第93ランナー 函館本線普通(キハ40形) 比羅夫9:18 → 小樽11:00
車で来られていた家族連れや、小幌駅を見に行くという大阪の鉄道ファン2人に見送られ、駅を後に。遅刻したということもありましたし、是非また泊まりに来たいと思えるところでした。
〇第94ランナー 函館本線快速「エアポート134号」(721系) 小樽11:04 → 札幌11:36
〇第95ランナー 函館本線快速「エアポート121号」(721系) 札幌12:44 → 琴似12:48
札幌に到着し、土産物屋でお土産を購入、一部を友人宛に発送したら琴似までの往復きっぷを買って向かいます。最後にもう1回撮影タイムを設けました。
その理由はこれ。この後乗ることになる「トワイライトエクスプレス」です。手稲駅からの回送列車を撮影するには、札幌駅よりもここの方が良いだろうと踏んで来ましたが、大正解。良い写真が撮れました。
〇第96ランナー 函館本線区間快速「いしかりライナー」(731系) 琴似13:47 → 札幌13:52
〇第97ランナー 室蘭・津軽海峡・日本海縦貫線特急「トワイライトエクスプレス」(DD51形重連&ED79形&EF81形+24系) 札幌14:05 → 大阪12:52
この旅行で最も楽しみにしていたと言っても過言ではない「トワイライトエクスプレス」。日本最長距離列車として、また豪華寝台列車として知らない人はいないと思います。
あろうことか1人用A個室「ロイヤル」に乗車しようとし、実際にみどりの窓口での10時打ちに挑んだのですがそう簡単に取れるはずもなく、しかし個室は絶対条件ということで1人用B個室「シングルツイン」を確保しました。
日の高い14時過ぎからもう寝台列車!この列車でしか味わえない体験です。
隣の4号車は「サロン・デュ・ノール」。日本海向きに座席が配置されたサロンコーナーの他、自動販売機とシャワー室を備えています。
車窓からは有珠山が見えました。大雪山と並び現在でも活発な活動を続けている火山です。最近では2000(平成12)年に噴火しています。
ほんの一瞬で通過してしまう小幌駅。駅の両端はそのままトンネルの入口、北側には山、南側には海が広がる、ほんのちょっとの空間に設けられた駅で、秘境駅の中でもその秘境の度合いはトップクラスと言われています。「駅の宿ひらふ」で一緒になった2人組が行くことにしていたのがこの小幌駅です。私も興味が無いことはないですが、行くのがもの凄く大変そうです。
さて、長万部駅を通過して函館本線に入ったあたりでまだ時間は早いですが本日の夕食。えー…こういうのが列車内で食べられるというのは未だに信じられません。
「日本海会席御膳」で、食堂車「ダイナープレヤデス」で提供される12000円のフランス料理フルコースとともに事前予約が必要な夕食です。今回は1人でフランス料理を食べるのはどうかと思ったこと、テーブルマナーを間違えて恥をかくのではないかと言うことで自室でゆっくり食べられるこちらを選びましたが、それでも6000円。1食にかけた金額としては多分最高じゃないでしょうか。
日本海で取れた魚介類などを使用したもので、その味は言葉にできないほど。40分も時間をかけてゆっくり味わって食べていました。
19時36分頃には青函トンネルに進入。江差線から海峡線に入ったあたりで車掌による解説がなされました。「サロン・デュ・ノール」で吉岡海底駅、最深部の青色ライトを確認し、竜飛海底駅通過中に撮影。窓の外の流れている光がそれなのですが…肉眼ならホームは見えたんですがねえ。
21時からは「ダイナープレヤデス」でのディナータイムが終わり、パブタイムの営業が始まります。予約無しで利用できるため、パブタイムの開始とともに行ってみました。
闇の中を食堂車でビールを片手に移動する…。ムード満点です。小瓶で580円とか値段は市価の比ではないですが、それでも文句ない程の空間を楽しめました。
ところで、「ダイナープレヤデス」は各個室に備え付けられている浴衣・スリッパでの来店が禁止されています(「サロン・デュ・ノール」はOK)。食堂車としての雰囲気を乗客に味わってほしいとの配慮からなのでしょうか。
ビールの良いが程良く回ってきたところで、22時頃就寝。ちょうど弘前駅を通過した頃でした。
翌朝5時に目が覚めました。外を見てみると、明けかけた空に何やら高架橋。どうやら東三条を通過し長岡に向かっているようで、高架橋は上越新幹線のもののようです。寝て起きてもまだ新潟。札幌から15時間乗ってまだ新潟。いやー長い長い。
富山県内を走っている午前7時半から「ダイナープレヤデス」で朝食。和食と洋食から選べ、どちらも1575円。食後にコーヒーのサービスがあります。
午前8時、富山駅着。「鉄道ダイヤ情報」誌ではキハ58系が「おわら風の盆」の輸送で富山駅にいる時間でしたが、2つ隣の1番線にいました。しかも国鉄色!金沢と高岡の国鉄色編成が相次いで離脱した中でこの塗装変更は嬉しいです。
10時36分、敦賀に到着。ここで機関車交換があります。東青森信号場から走ってきた43号機がここで切り離されます。
103号機へバトンタッチ。日本海側ということもあり天候は悪いですが、敦賀まで見事な定刻走行です。大阪まで後2時間。上り列車のみが通る、敦賀〜新疋田の通称「鳩原ループ線」では、車掌の解説が。この他にも、親不知や北陸トンネルなど沿線の名所や各停車駅では解説のアナウンスがありました。
そして定刻の12時52分、札幌を出てから22時間47分、1500kmを走破して大阪駅に到着しました。しばらく機関車や列車を眺めた後、下り新快速の発車する5番ホームに向かいます。
〇第98ランナー 東海道・山陽本線新快速(223系) 大阪13:15 → 姫路14:16
13時15分に姫路行き新快速が、17分に「トワイライトエクスプレス」の回送列車が、20分に「スーパーはくと7号」が発車するという状況の大阪駅。普通なら回送列車を見送ってすぐに「スーパーはくと」に乗るものなのですが、そうするとこの姫路駅で乗り換えするパターンよりも特急料金が高くなる…ということでわざわざ手間のかかる方を選んでいます。
1時間で姫路に着くのですが、姫路市街地の上空を見ると黒い雲が。これがゲリラ豪雨というものなのでしょうか…?姫路駅ホームに降り立つと大粒の雨が降っていました。
〇第99ランナー 山陽・智頭・因美線特急「スーパーはくと7号」(HOT7000系)
姫路14:20 → 鳥取15:54
天候に若干の不安を抱えつつ割と空いていた自由席車へ。智頭急行線は往復とも「スーパーはくと」での通過となりました。
シートの枕カバーには三徳山投入堂や鳥取砂丘など、沿線の名所がプリントされていました。投入堂か…一度間近で見てみたいですね。
〇第100(最終)ランナー 山陰本線快速「とっとりライナー」(キハ126形) 鳥取16:03 → 倉吉16:51
ラストランナーは快速「とっとりライナー」。本来なら「スーパーはくと7号」で倉吉まで乗り通しても特急料金は一緒なのですが、当初のコンセプトを重視しわざわざ鳥取駅で乗り換えます。
快速が下北条駅に停まらないこともあり倉吉駅まで迎えに来てもらい、ここで私の旅行は終了しました。
エピローグ
終わってみれば何もかも今までの私の旅行とはスケールが違いました。期間も、乗った列車の数も、撮影枚数も何もかも…。そして何より一番強く心に思ったのは、「また来てみたい」ということ。今回は夏、それも晩夏の旅行でした。次はやはり真冬に行って流氷を見たりタンチョウを見たりしたいところです。それにしても、本当に夢のような12日間でした。今だからこそできた旅行だと心底思います。