国内最古級の編みこみ模様のある布製品が検出
2008年4月28日掲載
遺跡
柏木川4遺跡
所在地
北海道恵庭市柏木町
時期
縄文後期(約3200年前)
北海道埋蔵文化財センターは24日、恵庭市柏木川4遺跡から縄文後期ごろのものと見られる国内最古級の編みこみ模様のある布製品が検出されたと発表しました。
編み布は06年秋、恵庭市を流れる柏木川近くの泥炭層に幅およそ60センチ、長さ約120センチの範囲で埋まっているのが見つかり、炭化が進んでいたものの、構造解析の結果、太い横糸に細い縦糸を絡ませて複雑に編み込んだ布であることが判明。編み込み方法は数種類あり、表と裏の模様が違うほか、穴を開けたり溝を付けるなどの細工も施されていたそうです。
材質は植物性の繊維で、材料などの詳しい分析はこれからだそうで、続報が楽しみですね。
国内において布製品は気候条件、土壌成分の関係で非常に残りにくく、出土例は同じく残りにくい木製品よりさらに少数です。とは言いましても皆無というわけではありませんで同じく北海道小樽市『忍路土場遺跡(オショロドバ)』山形県高畠町『押出遺跡(オンダシ)』などの出土事例があります。しかしきわめて貴重という事実に変わりはないわけで依然として縄文時代の服装についてはその多くがなぞに包まれてるといえます。
まあ、これだけ古い布製品が発掘されるというのは世界的に見ても事例が多いわけではありません。例外的には乾燥地帯で木乃伊とともに出土する事例はありますけどね、そういう条件たとえばアンデス地域では2000年近く前の布製品がまだ染料の色があせずに出てきたりします。
今回この幸運に恵まれたのは先述にあります泥炭層と河川流域というのが鍵となってます。泥炭と水分が布製品を腐敗から守ったということですね。イギリスなんかでは泥炭に守られたローマ時代の皮製品やサンダルが大量に出る遺跡があるそうです。