宇宙の構造(1)はじめにー宇宙の始まり

○宇宙の誕生

 私たちの宇宙は、どのようにして始まったのでしょうか。
 実は、今のところ最初期の姿についてはまだよく解っておらず、様々な説が提唱されています。何も無いところから始まったという説がよく聞かれますが、他の宇宙から発生したという説もあります。いずれにせよ、今後の研究が待たれる状態です。

 あれ?ビッグバンから始まったんじゃないの?という方もいらっしゃるかもしれません。

 このビッグバンというのは、宇宙が誕生して10-27秒後に起こった出来事なんですね。10のマイナス27乗ですから、もはや人には全く区別できないほど一瞬の出来事ですが、宇宙が誕生した瞬間とは僅かな時間の差があることになります。

 このビッグバンのとき、宇宙は灼熱の塊となったと考えられています。そして、この灼熱の塊から、宇宙が広がり、そして冷えて現在の宇宙が誕生したのです。

 

 それでは宇宙の誕生から、現在見られる状態の宇宙の最初期までを、時系列順に書いてみましょう。


  誕生〜10-43秒後

    宇宙が誕生してから、この期間は何があったかは今のところ不明。時間にしては、ものすごく一瞬ですが。

  誕生から10-36秒〜10-34秒後

    ここから宇宙は急膨張していきます。この宇宙の急膨張をインフレーションと呼びます。

  誕生から10-27秒後:

    素粒子の誕生・はげしく素粒子が飛び回ったため、超高温高圧の塊ができる。
    このときの状態を「ビッグバン」といいます。
  誕生から10-10秒後:

    反物質が忽然と消える。
  誕生から1秒後:

    陽子、電子、中性子が出そろう。
  誕生から3分後
   原子核などの粒子が誕生する。このときの宇宙の温度は約10億度と推定。

  誕生より38万年後:

    原子誕生。原子核と電子がくっつく、つまり電子や陽子が裸でいなくなり、光が直進し始める(宇宙の晴れ上がり)

  誕生より3億年後:

    宇宙最初の星が誕生。

 

 ということで、宇宙はその発生から僅か1秒間の間に、目まぐるしくその姿を変え、3分後に原子核などが誕生するものの、原子が誕生するまでには38万年という長い長い年月を要します。そして、3億年もしてから誕生した最初の星。果たして、どのように出来たのか、次のページで見ていきましょう。

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