宇宙の構造(3)宇宙はどういう世界なのか?
まず私たちは地球上に存在しています。 そして、地球は他の惑星や衛星、小惑星、彗星などと共に太陽の周りを公転し、太陽系を形成しています。太陽と地球の距離は1.5億km、太陽から最も外側の天体までは525億km以上あります。なお、距離の値ですがあまりに大きいため、普通はkmよりはるかに大きい単位を使います。それが天文単位(AU)で、地球と太陽までの距離を1天文単位(AU)と表します。この単位で表すと最も外側の天体までは350AUとなります。
地球が宇宙の中心か、太陽が宇宙に中心かという論争があったにせよ、私たちは歴史上、長らく宇宙は太陽系ぐらいまでしか認識できませんでした。ところが、観測技術の発達によって18〜19世紀以降、夜空に見える星の距離が次第に判明してきます。
さらに銀河団は集まり、超銀河団を作っています。1億光年もの広がりをもつ銀河の集団です。
では、この銀河は宇宙に広く、均等に広がっているのでしょうか。 その答えを出したのが、アメリカの天文学者マーガレット・ゲラー。彼女は1986年、1786個の銀河の位置を調べて、その分布を発表しました。結論を超簡単に言いますと、宇宙には銀河が密集しているエリアから、まったく無いエリアまであった、ということです。これを宇宙の大規模構造(宇宙の泡構造)といいます。泡構造というように、泡のように何もない空間(ボイド)があり、泡の表面に銀河の集合体(銀河フィラメント、超銀河団複合体、またはグレートウォール)があるといった形です。少なくとも約3億光年以上の大きさはあるでしょうが、正確な大きさはわかっていません。 どうしてこういう風に宇宙が形成されたのかは、いまだに不明です。さらに計算上、宇宙が誕生から137億年で現在のような姿になるのは不可能とされています。このため、何か正体の解っていない物質があるのではないか?と考えられています。この物質はダークマターと名づけられました。 諸説ありますが、仮にこのダークマターが宇宙の形成にかかわったとすると、初期の宇宙では物質はダークマターを含めて均等に広がっていたものが、宇宙の揺らぎによってダークマターが多い場所と少ない場所が出来上がる。そして、このダークマターが周りより多くなる場所は、さらにその重力によって別のダークマターをひきつけ、次第にダークマターは網の目のように分布します。 この網のように濃いダークマターがある部分に、物質やチリ、ガスがひきつけられ、やがて星、そして銀河が形成され、宇宙の大規模構造が出来上がったのでは・・・というのが現在の有力な考え方です。 ・・・で。 結局、宇宙の姿はどうなっているのよ?という話については、それ以上は殆ど不明。よく解らないことは、すべてダークマターやダークマターエネルギーがあるんだ!それが何かわからないけど、というお話でしか今のところは説明がつかないようです。なんと私たちが観測できる物質は、宇宙全体の4%に過ぎないと推定されています。 宇宙の大きさについても、計算上は直径930億光年以上とのことで、それ以上がどれだけ大きいのか、もちろん宇宙の果てがどうなっているのかも解らないのが現状です。いつか、解き明かされる日が来るといいですね。 |