太陽からの平均距離:45億445万km
大きさ(赤道直径):4万9528km
地球との比較:大きさ・・・地球の約4倍、質量・・・17.15倍
平均密度:1.64g/cm3
公転周期:164.774年
自転周期:0.671日
衛星の数:13(2009年1月現在)
代表的な衛星:トリトン、ネレイド
水星〜火星
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太陽〜海王星
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天王星によく似た構造で、岩石や氷、鉄とニッケルなどの合金でできた核を中心に、マントルの層(水やメタン、アンモニアなどからの氷)が覆い、その周りを水素を主成分にヘリウムとメタンを含んだ層が覆っています。天王星よりさらに青く見えるのは、メタンの量が天王星よりも多いことが理由です。
また非常に細く途切れている部分もありますが、4本の環を周りに持っています。
海王星の大気は、地球からの観測と1989年にボイジャー2号が再接近時の観測データにより研究されています。この惑星に近づいた人類の観測機はボイジャー2号だけ。本当によく働いてくれている観測機です。
太陽から約45億kmも離れているため、その表面は極寒。なんと摂氏マイナス220度近くになります。しかし、予想よりはこれでも暖かいほう。太陽光だけから考えられる温度は、なんと摂氏マイナス230度です。どこかに熱源があるということになりますが、おそらく海王星内部の放射性元素の崩壊による熱がそれに相当すると考えられています。
大気の変化は激しく、その速度は太陽系最速の、時速2000km。地球大気での音速の1.5倍という猛烈なスピードを誇ります(音速自体は大気の質で変わります)。ボイジャーがこの星を撮影した1989年には、赤道付近に暗く巨大な模様が出来ていました。これは、「大暗班」という高気圧の渦です。木星でも「大赤班」という似たような渦がありましたね。これは一時的に形成されるものらしく、現在は消失しています。高緯度地方には、小型版の「小暗班」も形成されます。
地球の絹雲のような細い雲も形勢されるようです。
海王星は、天王星の軌道から推測された天体です。海王星の内側にある天王星の軌道は、天体力学の法則から考えられるものと異なっていました。その原因として考えられたのは、天王星の外周を回る惑星の重力です。二人の科学者、ジョン・アダムスとユルバン・ルベリエがこの「未知の」惑星の軌道を計算し学会に発表しました。
そして、その計算は1846年、ヨハン・ガレの海王星の発見により正しいことが証明されました。この発見は、天文学者たちの理論が正しいことを証明したことでも評価されています。
海王星の衛星の中でも、
トリトンは目立つ存在です。海王星の衛星の中で一番の大きさ(半径1353m)をもち、さらに通常と逆周りの時計回り
の公転軌道を持ちます。海王星自体は、通常の逆時計回りで公転し、かつ自転しているため、惑星の動きに逆らうように公転していることになります。このような軌道は、衛星の公転速度を落としていくため、やがてトリトンは海王星へと落ちていくと考えられています。
現在の惑星科学では、惑星と共に形成された衛星はこのような軌道をとらないとされています。そのため、トリトンはもともとは別の場所に存在した天体であり、海王星の重力に捕らえられて衛星になったのではないかと考えられています。
大気をもつのもトリトンの特徴のひとつです。主成分は窒素でわずかにメタンを含みます。地表は窒素とメタンの氷に覆われています。気温は極寒、マイナス234度の世界です。衛星というと火山などないように思いますが、トリトンなど一部の衛星には火山が存在します。最もトリトンの火山は、−200度の液体窒素と液体メタンと考えられる噴煙を上げる極寒の世界にふさわしいものですが。