Mundi Renovatio
(ムンディ・レノバティオ/世界の更新)
作曲:オルバーン ジェルジュ
music:Orban Gy?rgy

(曲解説:U-lineのA 2012年10月指摘を受けて改訂)

○どんな曲?

 1994年にルーマニア出身、ハンガリー在住の作曲家、オルバーン ジェルジュ(1947〜)が作曲した曲で、混声版、女声版、男声版があります。

 ラテン語で書かれた宗教曲ですが、非常にノリが良く、聞いていて楽しい一曲です。演奏時間も1分強と非常に短いのもまた飽きなくていいでしょう。(むしろ、あっと言う間すぎて物足りないぐらい)

 U-lineのAは高校合唱部でチャレンジすることになりましたが…歌う方は結構大変です(苦笑)。

○混声4部版
           
 
 You tubeには混声版のみありましたので掲載。歌詞の意味を知っても十分楽しめますが、まずはとにかく聞いてみましょう!


○曲の聞き所@

 まず、この曲は新約聖書の「ヨハネの黙示録」(「世界の終末」→「千年王国」周辺)をモチーフとしているようです。
 ざっくり内容を書くと、
「神を冒涜する人々に対し御使いが神の怒りを地に放つ」
→「神の裁きによりさまざまな7つの大災害が起こる」
→「バビロンが滅亡し群衆は神を賛美」
→「復活した神により殉教者らが復活し千年間統治」

…え〜、…この部分は作者も専門外になってしまうので、もっと詳しく知りたい方は自分で調べていただければと思います。(…解説放棄。間違ってたらご指摘下さい)


 それでは、混声4部版をベースに解説といきましょう♪
 最初にBassのソロパート。続いてTenor→Altoへ主旋律が移り、他のパートは裏拍でリズムを担当。最後にSopranoが加わって、「♪renovan(tur),renovan(tur)......renovantur omnia!」と繰り返し言葉が呪文のように唱えられ、一旦曲は区切られます。
 続いてTenor→Sopranoが主旋律になりますが、他のパートは再び裏拍でビートを刻んでいる(!)という・・・んで、ここもまた「renovan(tur),renovan(tur)......renovantur omnia!」で区切られます。

 続いてはBassが主旋律担当、他のパートは裏で「♪Gaudia!(歓喜)」と囃し立て曲を盛り上げていきます。
 が、雰囲気は一転し、神聖な雰囲気に。ここでも男声2パートが裏拍でビートを刻み、AltoとTenorは「♪Gaudia!」で、ゆったりした女声2パートにアクセントをつけています。

   最後は最初の歌詞が戻り、各パートが重なるように言葉を喋ってぐちゃぐちゃした感じになりますがだんだんと「♪Gaudia!」に落ち着いていき…

「♪renovan(tur),renovan(tur)......renovantur omnia!」でエネルギーを解き放つように曲は終了です。


○曲の聞き所A
 それでは歌詞と訳です。訳については様々な方が書かれていますので、他の訳も参考にしてくださるといいかなと思います。
Ignis volat mobilis, et a?r volubilis,
 炎が飛びまわり、そして大気は渦巻く、
Fluit aqua labilis, terra manet stabilis,
 水は滑らかに流れ、なお大地は安定している、
alta petunt levia, centrum tenent gravia,
 深いところのものは軽さを求め、それでも中心は重さを保つ。
renovantur omnia!
 全て新たに生まれ変わるのだ!

Caelum fit serenius, et mare tranquillius,
 天は清涼になり、海も静かになった、
et spirat aura mitius, vallis nostra revirescunt,
 そして風は穏やかに息づき、谷でわれらは緑に染まる、
vallis nostra floruit, postquam ver intepuit,
 谷でわれらは咲きだし、そして緑は暖かくなる。
renovantur omnia!
 全て新たに生まれ変わるのだ!

Mundi renovatio, nova paret gaudia,
 世界は変わり、新たな喜びが現れる、
resurgenti Domino, contresurgunt omnia!
 主が復活し、全てのものが立ち上がる、
Elementa serviunt, et auctoris sentiunt,
 全てのものは生き、神のお作りになったものを感じる、
quanta sit potentia.
 その力がどれほどのものであるか。


○まとめ
 この曲の魅力は独特なスピ−ド感ある歌詞(本当に演奏も早いですが…)と、多用された裏拍のリズムにあるでしょうね。
 基本的にバラバラに歌っているパートがふっとまとまってまた別れていく…そこも何となく楽しいものです。
 
 聴くだけならただの面白い曲なのですが、テーマが「神様」という知識がないものには大分解説・理解しにくい内容でして、一応新約聖書とかも読んで意味を知ろうとしたのですが、理解力が無さ過ぎて泥沼に嵌りました(笑)
 それでもこの曲はそれ以上に、曲自体が楽しいので、聞く方も演奏する方も楽しんで歌えるのでは?と思います。…でも歌う方は結構辛いかも…あと裏拍をマスターしましょうね(笑)

P.S. この曲いつも「omnia!」が「大宮!」って聞こえるのは私だけ?!(笑)